時間という貴重な資源を再配分するための決断
田中氏の会長就任という決断を受け、議論は経営者の役割と時間の使い方へと展開した。澤氏は、経営者の仕事は極論すれば「人と会うこと」と「何かを決めること」の2つに集約されると定義した。実務的なタスクに経営者が時間を使うのではなく、特に重要なのは「やめることを決める」決断であると強調した。
人生における時間は有限であり、1日24時間、1年365日、そして人生は1回きりという制約は誰にでも平等にある。情報や競合が増え続ける現代において、全てのことに対応するのは不可能であるため、時間の配分を変えるためには何かをやめなければならない。しかし、組織ではサンクコスト(埋没費用)への執着や、既存の会議体を廃止することへの抵抗感から、この「やめる」という意思決定が非常に困難であると澤氏は指摘した。
