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AI時代の両利きの経営

SMBCグループが描く、AIによる「金融OS」への進化──なぜCFOエージェントを提供するのか?

ゲスト:株式会社三井住友銀行 Managing Director AIトランスフォーメーション推進部長 ラジェーンドラ・マヨラン氏

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組織文化にアラインメントされた「AI-CEO」

小宮:社内活用において「AI-CEO(社長AI)」を開発された狙いはどこにありますか。

マヨラン:単なる業務効率化だけでなく、AIとともに働くことが当たり前の「風土」を作るためです。興味深いことに、手続き的な質問は通常の社内AIに聞きますが、「お客さまにこう提案したいが、社長ならどうするか?」といった理念的な相談が社長AIには寄せられます。

 今後、業務の自動化が進み、エージェント同士のやり取りで取引が完結するようになると、人と組織の関係性は希薄化する懸念があります。だからこそ、SMBCのカルチャーやスピリットと「アラインメント(整合)」されたAIと対話することが、ヒューマンタッチな組織文化を維持する鍵になると考えています。上司には言いにくい迷いや高い視座での相談をAIが受け止めることで、組織の結束を高める効果を期待しています。

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小宮:社内業務の効率化については、今後どのような展開を予定していますか。

マヨラン:金融機関の業務は、どの部門でも「書類から情報を抽出し、比較・判断する」という共通の型を持っています。これらをパターン化してスケールさせるのが次のステップです。

 また、多くのお客さまが直面している「現状の業務フローが把握できていない」という課題に対し、AIを使って現状をキャプチャーする「AIプロセスビルダー」のような取り組みも進めています。無駄をそのまま自動化するのではなく、現状を正しく把握した上で、AIエージェントによる業務再設計を行っていく。このエンド・トゥ・エンドの変革を3〜4年のタイムスパンで実現していきます。

「金融OS」として、見えないインフラとなり社会を支える

小宮:CVC(コーポレートベンチャーキャピタル)を通じた外部との連携についても、今後の展望を教えてください。

マヨラン:私たちは自前ですべてのソリューションを作る必要はないと考えています。アジアの「SMBCアジア・ライジング・ファンド(2億米ドル)」や米国の「アトラス・ビヨンド・ファンド(3億米ドル)」を通じ、現地の尖ったスタートアップに投資しています。

 たとえば、インドで独自のデータを使ってディーラーの信用スコーリングを行う企業や、米国でAIガバナンス・セキュリティを支える企業など。これらの技術をSMBCが選別・紹介することで、お客さまのバリューチェーン全体のデジタル化を加速させ、そこにSMBCの金融機能をつなぎ込んでいく。グローバルな金融グループとしての強みと、スタートアップのスピードを組み合わせた「デュアルエンジンモデル」で、AI戦略を強力に推進します。

小宮:最後に、SMBCグループが将来的に目指す姿、社会にもたらす価値についてお聞かせください。

マヨラン:私たちが目指しているのは、産業のバリューチェーンにおける「金融OS」になることです。パソコンのOSがCPUやメモリーを制御するように、見えないインフラとして企業の「意思決定」と「オペレーションの自動化」を支えたい。

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資料提供:株式会社三井住友銀行/クリックすると拡大します

 財務の最適化という「頭脳(CPU)」をAIで強化し、ステーブルコインやセキュリティトークンといった新しい決済手段を組み合わせて、リアルタイムで価値が循環する社会を作る。AIが浸透すればするほど、効率性は極限まで高まります。その先にある、真に付加価値の高い「ヒューマンタッチな会話」に人間が集中できる環境を提供すること。それが、これからのSMBCグループが社会に提供する真の価値だと確信しています。

小宮:本日は貴重なお話をいただき、ありがとうございました。

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この記事の著者

栗原 茂(Biz/Zine編集部)(クリハラ シゲル)

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