2026年5月21日、KPMGジャパンは生成AIを活用した全社的リスクマネジメント(ERM)高度化支援サービスの提供を開始した。KPMGのメンバーファームであるあずさ監査法人、KPMGコンサルティング、KPMG Forensic & Risk Advisoryの3社が連携し、企業の戦略およびリスクマネジメントに関するノウハウを結集することで本サービスを体系的に展開する。
近年、日本企業を取り巻く外部環境は、地政学リスクやパンデミック、サプライチェーン分断、技術覇権競争、気候変動、急激な技術革新など、多様化かつ複雑化している。不確実性が高まる中で、経営戦略の前提条件自体が短期間で変化するケースも増加し、従来型の静的なERMだけでは限界が指摘されていた。これに対応し、柔軟な経営判断や迅速な戦略立案を直接支える動的ERMへの進化が求められている。
新たに提供開始された本サービスでは、生成AI技術を活用することで、動的なリスクシナリオ分析やリスクの定量化を実現する。複数の将来シナリオにもとづき、戦略およびリスク対応オプションを可視化し、経営意思決定プロセスに組み込む。これらのプロセスにより、外部環境が変化する中でも、企業経営者は迅速かつ客観的な判断が可能となる。
主な特徴としては、生成AIによるリスク分析の迅速性・客観性・柔軟性の向上、リスク波及の可視化、複数シナリオおよび戦略オプションの定量評価、さらに高頻度・継続的なリスク因子のモニタリングが挙げられる。経営環境の変化や突発的なインシデントが発生した場合にも、リスク因子をタイムリーに把握して経営へ反映できる体制強化を支援する。



KPMGジャパンは、会計監査・戦略コンサルティング・リスクアドバイザリーにおける豊富な知見と、AI技術を組み合わせ、新たなERMのスタンダード確立を目指すとしている。従来企業が重視していた損失防止目的にとどまらず、経営価値創出までを見据えたリスクマネジメントへの転換を促進し、顧客企業の持続的な成長を支援するとしている。
変化が激しい経営環境下、経営企画部門や新規事業担当者にとって、リアルタイムかつ多角的なリスク分析・戦略立案の重要性がさらに高まっている中、本サービスは企業変革と新たな経営判断の土台となることが期待される。
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