なぜ「Design」ではなく「DESIGN」なのか?
このようにサンフランシスコには多くのデザイン会社が存在し、デザイナーがビジネス領域で活躍しているのに対し、なぜ日本にはデザイナーが少ないのか。「日本はデザインの範囲が狭い」と、ブランドン氏は指摘。スタンフォードのd.schoolやIDEOが提唱する大文字の「DESIGN」の考え方について、こう語る。
従来までの「Design」に対して、最近では大文字の「DESIGN」というキーワードが使われています。「DESIGN」は見た目だけではなく、ブランディングや他社との差別化、ユーザー体験、イノベーションまで、そのカバー範囲がとても大きい。いまの企業が最も重視する「どのようにユーザーを獲得し、企業を育てて、世の中にイノベーションをうみだすか」を担っているのが、大文字の「DESIGN」なのです。
デザインの重要性が高まる中で、従来までは技術ベースのビジネスモデルを展開していたのに対し、これからはデザインベースのビジネスモデルが重要になってくる。「何をつくって、何を売るのか」から、「どういう体験をしてもらうのか」に価値が移り変わっている。ブランドン氏は、その変化を象徴する5つの事例を紹介した。