SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

おすすめのイベント

おすすめの講座

【出張版】M&A Online

「M&Aからベンチャーへのスイッチ投資」で成功するKDDI

M&AアーカイブスVol.2 KDDI<9433>

  • Facebook
  • Twitter
  • Pocket

2012年以降は30社に対し投資、出資先は次々上場へ

 これら通信系のM&Aを行う一方で、12年のコーポレート・ベンチャー・ファンドの立ち上げ以降は、ベンチャー企業30社以上に対して投資を積極的に行ってきた。

 その投資先のうち、無料インターネット電話サービスのSkype(スカイプ)を利用したオンライン英会話教室を運営するレアジョブは、投資から1年後の14年に東証マザーズへの上場を果たした。また、スマートフォンのGPS機能を利用した位置連動型のプッシュ通知によるASP事業を展開するアイリッジも15年7月に東証マザーズへの上場を果たしている。

 このようにコーポレート・ベンチャー・ファンドを通して、KDDIの持つ資金を含めた経営資源を活用するモデルは、今後社会的な流れとしてより一層加速するものとみられる。

 出資先が上場を果たす一方で、KDDIはファンドの出資先を子会社化する動きも取っている。

 例えば、生活全般を取り扱う情報サイトおよび企業であるnanapi(ナナピ)を14年に子会社化している。ここ数年間でこういった情報サイトやキュレーションメディアは新たな情報媒体、広告媒体として注目を集めており、KDDIの経営資源を本格的に投入し、マーケットシェアを拡大することを企図している。

 一方、KDDIもnanapiとの取り組みによって、ポップカルチャーに特化したウェブメディアを運営する子会社ナタリーやグノシーといった出資先との間で相互送客を行ったり、共同で広告事業に取り組むことによって、KDDIグループ全体の経営資源の効率的な投下ができるメリットもある。

 大企業は得てして新たな取り組みを行うことを不得意としているが、このようにイノベーションが求められる新規事業をM&Aによって補完する動きは、近年のトレンドとなっている。その最たる例がKDDIであり、同社の持つ経営資源とのシナジーによってM&Aを成功に導いている。

■KDDIが行った主なM&A

KDDIが行った主なM&A

次のページ
KDDIにおける「M&amp;A期」と「ベンチャー投資期」をデータで比較する

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • Twitter
  • Pocket
【出張版】M&A Online連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

M&A Online編集部(エムアンドエーオンラインヘンシュウブ)

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

  • Facebook
  • Twitter
  • Pocket

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング