“パーツ”ではなく事業の“全体”を俯瞰した「ビジネスモデルデザイン」のために

最終回:ビジネスデザインのための実践的ワークショップのケーススタディ

 昨年12月より4か月以上にわたる本連載「事業企画の現場で使う、ツールTips」も今回で最終回となります。今回は、当社が定期的に開催している「ビジネスモデルデザイン講座(ワークショップ1日体験編)」をベースに、実際の具体的なワークショップの進行といくつかのポイントについて触れていきたいと思います。

[公開日]

[著] 白井 和康

[タグ] ビジネスモデル ビジネスモデルデザイン

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事業を行うために必要となる9つのコンポーネントを抑える

 今回取り上げるのは、ビジネスモデルキャンバス顧客ジョブマップ価値提案キャンバスを活用した1日がかりの基礎コースです。デザイン思考においては、デザイアビリティ(それは顧客にとって望ましいものか?)、フィージビリティ(それは技術的に可能か?)、バイアビリティ(それは継続的な利益を生むか?)の3つの視点からの最大公約数が最も優れた価値提案であり、まずはデザイアビリティの検証からスタートすべきであると言われています。また、ビジネスモデルが失敗する最も大きな原因は、ターゲット顧客と価値提案のミスマッチと言われています。したがって、本コースの焦点はビジネスモデルの全体像を掴むこと、ターゲット顧客と価値提案のフィット感を確かめることにあります。では、順を追ってご説明していきましょう。

 最初に、各参加者個人の頭の中にある新しいビジネスのアイディアをビジネスモデルキャンバスに描写し、プレゼンテーションをしてもらいます(図1)。
 ビジネスモデルキャンバスに描く際に重要なポイントの1つが、コンポーネント間の関係を検証することです。アマゾンのビジネスモデルを例に取れば、「おすすめ(パーソナライゼーション)という顧客との関係は、アマゾンプラットフォーム(ワンクリック購買)というチャネルの上に構築され、豊富な品揃え(ロングテール)という価値提案を促進する」という関係にあります。

ビジネスモデルキャンバス図1.ビジネスモデルキャンバス

 プレゼンテーションをする際に重要なポイントの1つは、付箋紙を1枚ずつ貼りながら、ビジネスモデルのストーリーを語っていくことです。この2つのポイントを抑えることで、活きたビジネスモデルに一歩近づくとともに、第三者への説得力が目に見えて向上するでしょう。

 ランチタイムをはさんだ後、継続して作業をするためのビジネスキャンバスを絞り込み、3~4名のグループを作ります(アマゾンのジェフ・ベゾスによれば、初期プロジェクトのメンバーはLサイズのピザ2枚分程度がよいそうです)。社内でワークショップを行う場合は、営業/マーケティング、プロダクト/サービス開発、オペレーション、財務、ITといった異なる職種やスキルをもつ混成チームをお薦めします。

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