顧客が想起するストーリーをつくる
――「リーンブランディング」には、いくつかのツールが紹介されていますが、まずどれがお薦めでしょうか?
堤:
「ブランドストーリーボード」というものがあります。これまでは「ブランドづくり」というと、ロゴやイメージ画像と捉えられがちでしたが、ブランドはそれ以上のものです。本書では「ブランドとは、消費者があなたのことを考えるときに想起するユニークなストーリー」と定義しています。ブランドストーリーボードは、シーンに応じて穴埋めをしていくだけで、顧客にとってのストーリーが出来上がっていくというツールです。
このフレームワークは「イノベーションのジレンマ」で有名なクリステンセン教授のJTBD(Jobs To Be Done)という考え方を起点に、顧客にとっての価値を探るアプローチとして普段活用している「ニーズのメカニズム」にも通じるものです。