経営における“デザイン”の価値を「意匠・設計・思考」の3つに分解する
濱口氏は今回、経営にインパクトを与える「デザイン」を、「意匠(プロダクトデザイン)」、「設計(ビジネスデザイン)」、「思考(インプルーブメント)」の3つに分解した上で、「意匠」「設計」に関して、イノベーションの定義も交えて解説した。この2つを一定の手法にしたがってドライブすれば、イノベーションを導ける可能性は高まるという。
まず、濱口氏が使っているイノベーションの定義を振り返っておこう。
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見たこと・聞いたことがない
あたりまえだと思っていること(バイアス)に反する。 -
実行可能である
実現できないことはイノベーションではなくファンタジーである。 -
議論を生む(反対/賛成)
1に相当するものは不確実性が高いため、合意されない。
1のバイアスとは、人間が日々、見たこと、聞いたことから積み上げていく「常識」ともいえる。イノベーションにとってこわいのは「ある専門分野で仕事をするとバイアスの塊になり」、バイアスから外れるものが目に入らなくなってしまうことだ。
『見たこと・聞いたことがない』ものはバイアスに反抗する。自分の知らない世界に持って行かれるので、不確実性がある。不確実性が高いものは合意できないので議論が起こる。そういうロジックになっています。