ビジネスデータ分析には“暗黙の了解”は要らない?
「データ準備」→「データ加工」→「可視化」→「分析」という流れは変わりませんが、実務でビジネスデータの分析をする場合、いくつかの知識とスキルが各ステップで必要です。
データ加工の段階では、分析手法の知識とそれを支えるExcelの操作のスキルが必要です。例えば、分析手法のABC分析を知らなければ、どの製品が売れているかを分析したいニーズがある場合、分析手法を活用して正しい分析を行うことができません。逆に言えば、ABC分析を知っていれば、比較的容易に分析ができます。最初からすべてを覚えようとはせずに、ご自分が使えそうな手法から学習し、Excelを実際に使って分析をしましょう。
本コラムと連動する講座では、多くの方が使うだろうと思われる分析手法や内容を、ケースを用い学習していきます。
データ分析を始める場合、最初にやることは「何故そのデータ分析を行うのか」という目的を明確にすることです。何を目的として分析をするのか、分析をした結果からどのようなことに知見を導きたいのか、あらかじめ分析のゴールを明確にイメージしておきます。
会社や組織の現場では、データ分析の目的が曖昧になることがあります。上司に、「これちょっと分析してみてよ」と言われた場合はどうするのが正解なのでしょうか。日本人は暗黙知が好きなので、上司との間に暗黙の了解があるのかもしれませんが、ここはやはり上司と話をして目的を明確にしておきましょう。それが正しい結果を得る為の最初の一歩とご理解ください。
分析の目的を明確化するためには、下記を意識すると良いでしょう。
- 分析結果を使用する人の明確化:上司、チーム、上層部、社長など
- 分析結果を使う人(達)の求めるニーズの明確化:どのような分析結果をどのような意思決定に使いたいのか。
データ分析のニーズを明確化する作業は、簡単ではありません。上記1の誰が分析結果を使うかは上司や周りに聞けば情報を得ることはできます。2についてはどうでしょう。実はこの部分を明確にしておかないと、どの分析手法を使ったら良いのかが特定できず、分析シナリオが作れないのでしっかりやっておきましょう。ニーズが売上予測にあるのに、ABC分析だけを行っても、目的の一部にしか役に立ちません。
多くのビジネスに共通することですが、ゴールに対して適切なツールや考え方を用いることが重要です。仕事のスピードとクオリティが「ちょっと…」という方は、目的に適したツールが使えていないという場合が多いようです。この分野は想像力と考える力が必要なので、想像力を働かせてしっかり考えていきましょう。