“ひと”による“ひと”のためのテクノロジー出現を予測――アクセンチュア調査レポート

人工知能、デジタル・エコシステム、人材マーケットプレイスで“ひと”中心のテクノロジーが進展

 アクセンチュアは、世界のテクノロジートレンドに関する年次調査レポート「Accenture Technology Vision 2017(テクノロジービジョン2017)」を発表した。このレポートでは、ビジネスに創造的破壊をもたらすために、今後3年間で“ひと”が活用するであろう、重要なテクノロジートレンドを予測している。

[公開日]

[著] BizZine編集部

[タグ] 企業戦略

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 今年のレポートは、「テクノロジーを“ひと”のために」をテーマに掲げている。“ひと”の能力を最大限に発揮させるためには、ビジネスやテクノロジーのリーダーがテクノロジーを積極的にデザインし、意図する方向へと導いて行くことが欠かせない。このレポートでは、“ひと”のニーズを予測し、1人ひとりに合わせた体験を一貫して提供できる、“ひと”による“ひと”のためのテクノロジーが出現し始めているトレンドを紹介している。

 アクセンチュアは、「テクノロジービジョン2017」の作成にあたり、世界5,400人以上の企業や組織の上級役職者およびIT担当役員を対象に調査を実施したところ、約10分の9(86%)が「個々のテクノロジーが急速に進化する中、複数のテクノロジーが相乗効果を発揮することにより、画期的なイノベーションを生み出している」と回答している。

 「テクノロジービジョン2017」では、人工知能(AI)、インターネット・オブ・シングス(IoT)、ビッグデータやアナリティクスなどの領域におけるテクノロジーの進化を踏まえ、“ひと”の欲求やニーズに応える学習能力を持つ、まるで人間のように思考するテクノロジーを人間がどのようにデザインできるかが考察されている。

 こうした“ひと”を中心に考えてデザインされたテクノロジーは、企業に利益をもたらす。先進企業はテクノロジーによって製品やサービスのプロバイダーからパートナーへと進化し、社内にも変革を起こすことで、従業員や顧客を含めた“ひと”との関係性をより深化させることに目を向け始めている。

 「テクノロジービジョン2017」では、今日のデジタル・エコノミーにおいて、ビジネスの成功に不可欠な5つの新たなテクノロジートレンドを定義した。

 ・AIは新しいユーザーインターフェース

 AIは成長を遂げ、インタラクションがシンプルかつスマートなものになることで、大小さまざまな問題に対処することが可能になる。AIは新しいユーザーインターフェースとなり、取り引きやシステムとのやり取りを支える存在になる。今回の調査では、79%の回答者が「AIによって顧客からの情報の入手方法や、顧客との関わり方が劇的に変化する」と答えている。

 ・ “ひと”のためのデザイン

 テクノロジーのデザインは“ひと”によって、“ひと”のために決定されるようになる。テクノロジーの側で人間の行動に適応するようになり、人間から学習することによって私たちの暮らしをより豊かなものへと向上させる存在になる。今回の調査では、回答者の80%が「企業や組織は、人々が現在いる場所だけでなく行きたい場所まで把握して、人々が望む結果に導くためにテクノロジーを活用する必要がある」という点に同意している。

 ・無限の可能性を持つエコシステム

 複数のサービスを1つの接点で提供するプラットフォーム企業によって、業務や企業間競争のあり方についてのこれまでのルールが完全に崩された。企業が必要としているのは単なるプラットフォーム戦略ではなく、現在の情報化時代をリードするためのリッチで強固なエコシステムのアプローチである。今回の調査では、すでに27%の上級役職者が「デジタル・エコシステムによって、組織の価値の創出方法が変革されつつある」と答えている。

 ・人材のマーケットプレイス

 利用したい時に柔軟に活用できる人材のプラットフォームや、オンラインの業務管理ソリューションが急増している。その結果、先進企業では従来までの組織内のヒエラルキー構造から脱却し、オープンな人材マーケットプレイスの活用へと舵をきりはじめている。これは産業革命以降に到来した、最も根本的な経済変革である。今回の調査対象となった上級役職者の85%が、「フリーランスワーカーの活用を今後1年間で拡大させる予定がある」と回答しており、こうした傾向を裏付ける結果となっている。

 ・未踏の領域へ

 エコシステムがカギを握る今日のデジタル経済において成功を収めるために、企業は未踏の領域を探っていかなければならない。ただ単に新しい製品やサービスの提供に力を入れるのではなく、より大局的な視座に立ち、積極的に機会を捉えて、これまでとは全く異なる新たな産業のためのルールや業界標準の確立を考えるべきだ。今回の調査でも、74%の回答者が、自社は「まだ誰も明確に定義していない、デジタルをテコにした新たな産業に参入しようとしている」と答えている。