“格差問題”にさらされるフリーランスの課題と解決策
参加者からは、フリーランスの待遇に関する懸念も挙がった。クラウドソーシングにより、例えばライターのような仕事の間口は広がったが、それがその職種全体の報酬を低下させる要因にもなっている。解決する術はあるのか、という問いだ。
ミッチェル教授は、アメリカにおいても格差の拡がりは一番の問題であると答えた。80年代中頃以降、アメリカでは労働生産性が向上しても、所得は伸び悩んでいる。低賃金の仕事は完全に自動化する可能性があるし、Googleのような新興ハイテク企業は生み出した富をごく一部の従業員にしか分配しない。そういった状況への対応策として氏が挙げるのは、長期的な施策としては生涯教育のしくみ、即効性のある施策としては国による社会保障制度の整備だ。