「新たな問いを、考え続ける」 研究者×イノベーション 本川智紀氏(ポーラ研究所)
私は化粧品の研究、その中でもシミの研究を20年近く続けてきました。一般的に企業研究者は、専門性は高くても、やっている業務自体は超現実的なので、大きなイノベーションには不向きだと言われます。でも、私は、研究者としての業務をやりながらイノベーションを起こしたい。そこで気が付いたのが、「一気にカエルを目指さない」という方法です。ご存じのようにカエルは、卵からまずオタマジャクシになり、やがて足が生え、手が生え、というように徐々に育ちます。この成長のように、身近なところ、つまり自分の業務の範疇から小さなイノベーションを連続的に起こして広げていってみる。このいいところは自分の業務の近くで始められるので、会社の許可にてこずることなく、勝手に始められる可能性もあるということでしょうか(笑)。