リモートの時代だからこそ「その人がいる価値」は高まる
間下:
西脇さんと言えば、マイクロソフトのカリスマエバンジェリストである傍ら、様々な企業への講演・講座で全国を飛び回り、最近だとテレビやラジオにも出演されていますよね。
西脇:
はい、マイクロソフトはプロフィールの一部として紹介されますが、個人としての活動も盛んに行っています。それもマイクロソフトのカルチャーのおかげですね。個人活動を奨励する風土や文化もあるんですよ。ただし単に外資系だからというわけではなく、誰かがリーダーシップを取って、ロールモデルとなってきたからです。
間下:
そうした広げ方というのは見習いたいものですね。やっぱり出張は多いんですか。
西脇:
多いですね。リモートでどこにいても仕事ができるんだから、家にいるだろうと思われがちなんですが、むしろ逆。どこにいても仕事ができるんだから、出かけてしまえと(笑)。エバンジェリストとしてプレゼンテーションや講演も多いですが、ドローンビジネスや教育関連でも各地から声が掛かります。
間下さんも、現在シンガポールを拠点にされていらっしゃいますが、やっぱり移動が多いんじゃないですか。
間下:
ええ、「なぜテレビ会議の会社の社長が年間50万km以上も航空機に乗るんだ」って揶揄されますけれど(笑)。しかし、デジタルコミュニケーションツールの利点は「どこでも仕事ができる」と同時に、「行くべきところに行ける」ことだと思うんです。つまり、責任が重くなるほど、キーパーソンに会う、記者会見を行う、握手をするなど「その人がそこにいる価値」が高くなりますから、環境にしばられず動けるということですからね。
西脇:
それは私も感じますね。プレゼンテーションを受ける機会が少ない地方だと、「あのマイクロソフトの西脇さんが来てくれた!」って東京での何倍も感謝されるんです。おそらく話の内容以上に、「僕の体がそこにあること」に価値を見出してくれている。そこは絶対リモートで置き換えられないですからね。
間下:
そう、「無駄なところに行かなくてもいい」というメリット以上に、「どこにいてもいい」というメリットが大きい。どこにいてもコミュニケーションがとれるとなれば、会社にいなくてもいいわけですから。