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孫正義社長に学んだ超スピード仕事術で働き方を変える三木雄信さん

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孫正義社長の右腕としてソフトバンクの社長室長を務め、同社の急成長を支えてきた三木雄信氏。孫社長の元で鍛えられたスキルやノウハウは現在の「高速PDCA」という経営手法に活かされている。その三木氏に、Web会議などで働き方の変革を提唱するブイキューブの浜野善輝氏がインタビューを行なった。

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孫社長のカバン持ちとして朝から晩まで行動を共に

ジャパン・フラッグシップ・プロジェクト 代表取締役社長 兼 トライオン 代表取締役社長 三木雄信氏

浜野:
 ソフトバンクが急成長した時期に、孫正義社長の右腕として活躍されたわけですが、どのような経緯でそうした立場になられたのでしょうか。

三木:
 大学を出て1995年に三菱地所に入社しました。広報部に配属されたのですが、当時の三菱地所は斜陽と言われていた時で、丸の内はバブルが崩壊した後で地銀などが撤退した後の沈滞ムード。ロックフェラーセンターなど海外での投資案件も塩漬け状態でした。そんな状況を吹き飛ばそうと「丸の内活性化プロジェクト」を担当していたのですが、転勤の指示が下った。サラリーマンなら当然の辞令なのですが、当時は若気の至りで「それなら人生を考えよう」と。

 僕は久留米大学附設高校の出身で、孫正義社長の弟の孫泰蔵さんと堀江貴文くんが同級生です。そこで泰蔵さんに相談したら「じゃあ兄貴に会う?」と言われて会いました。
そこで孫正義社長から「300年続く企業をどうやったら作れるかね?」と聞かれたので「多様性ではないでしょうか」と答えました。それで入社したのが1998年のことです。

 入社後は、まるっきり孫社長のカバン持ちみたいなことで、どこに行くのにもついていって書記をやっていました。孫社長が何かを思いつくと、それに対して考えを述べるという「壁打ちで投げ返すこと」が仕事でした。

 朝7時半の朝食ミーティングがスタートで、昼と夜は店屋物を食べて、夜の10時くらいまでずっと打ち合わせる。そこから「朝までにプレゼンしておけ」というので、翌朝はそのプレゼンをベースに会議を始める。それを毎日繰り返す。
 提案にも同行し、契約締結の段取りも取るなど、秘書兼広報、兼プロジェクトマネージャでした。さらに2000年から社長室長ということになって、経営戦略担当というプロジェクトマネジメントする部隊と、秘書の部隊を束ねる立場になったというわけです。

急成長時代に学んだイノベーションの起こし方

株式会社ブイキューブ マーケティング本部 デジタルマーケティング マネージャー 浜野 善輝氏

浜野:
 具体的に、どのような案件に関わられたのでしょうか。

三木:
 手がけたのは日本債券信用銀行の買収などです。マイクロソフトとのジョイントベンチャーで、Webで自動車を販売をするカーポイント(現カービュー)ではサブのプロジェクトマネジャーを務め、ナスダック・ジャパンの立ち上げでは主要なプロジェクトマネジャーとしてやりました。

 そのあと2001年から5年ぐらいはひたすらYahoo! BBの仕事でした。ここではモデムを無料配布するという「誰もやったことがないことをやる」というのが仕事でした。
 最初からすべて計画できるのだったら、すでに誰かがやっています。当時、モデム配布作戦での孫社長の命令は「目が合ったら渡せ」というもの。たくさんの代理店がチラシや訪問販売、抽選など、ありとあらゆる方法でモデムを配った。この方法でADSL事業は急成長した。その後のカスタマーサポートの混乱とお客様のフォローは大変だったのですが、『世界のトップを10秒で納得させる資料の法則』『孫社長のむちゃぶりをすべて解決してきたすごいPDCA』という本の中で書いた手法はこの時の経験が大きいのです。

 新規の事業ではとにかく試行錯誤していく、その中で中間成果物を得て、そこから指標を数値化して、本格的なプランニングを始めるのです。このやり方で高速PDCAを回していくことが大事なのです。
 最初から「絶対失敗するな」と言ったら事業開発はできないと思います。失敗込みで予算を立てなければなりません。

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長文メールはNG、数字勘のない人は取り残される

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