プロジェクトを「絵に描いた餅」にしないために、表現から活動を導き出す

第六回

 プロジェクト戦略が絵に描いた餅とならないためにはどうすれば良いのでしょうか。匠Methodによる「価値のデザイン」から始めることで、プロジェクトを生き生きとさせ、戦略を実行可能な活動に結びつけることができます。萩本氏の連載の第六回目は、表現から導き出す活動のモデルを解説します。

[公開日]

[著] 萩本 順三 F-INC.

[タグ] ブランディング

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

魅力的な業務・システムを創るには

私たちが提唱するブランディングの方法論「ArchBRANDING」は、匠Methodを使って会社や商品のブランドに組織活動を含めてデザインできるようにするものです。

現状の日本企業の多くの組織の中では、図に示すように表現と活動は切り離されて考えられており、それぞれの部門の人の意識が集合意志として統合できないためにブランディングの本来の効果を受けられていないという問題がありました。

このことを下記の図で説明しましょう。

この図で示す某企業では、ブランディングは企画部門が担当しています。また、ブランドを象徴するサービスの開発活動はシステム開発部門、新たなサービスに向けて業務改善活動は販売部門が行っているという例です。
それぞれの部門によって表現と活動は分離された状態となっています。

現状の組織活動現状の組織活動

この図のような組織では、ブランドの魅力を活動につなげられません。社外へのブランドイメージの浸透こそブランディングの本来の目標でありますが、もうひとつのブランド創りの効果ともいえる社内業務の戦略的改善や洗練化に活かすことができていないのです。
またブランド創りに活動を含めないかぎり、継続的活動からブランドを進化させることもできません。このことは、連載の第3回「自動車業界に見るドイツのマイスターと日本の匠のブランディングアプローチの差異」で「ユーザ体験型ブランディング:ストーリーをデザインする」として説明しています。

魅力的な組織創り

先にあげた業務のやり方の問題は組織創りにも大きく影響します。なぜなら、このようなやり方では、表現と活動が一体化されずに、ユーザに対してどのような価値を提供し、どのように喜んでもらえるのかが分からないからです。その結果、業務に対するパッションも感じられず、社員のモチベーションが低下し、仕事のパフォーマンスを発揮できないでいます。働きがいを高めるためには、活動を表現とつなげる必要があるのです。

ユーザが魅力を感じるブランドは、かならず社員も魅力を感じ活動に関わることを誇りに思うはずです。自分達の業務がどのようにユーザの価値を生み出せるのかを考えることこそ、働きがいを生み出し、その継続により魅力的な組織創りにつながります。そのためのブランディングの方法論が、ArchBRANDINGなのです。

ArchBRANDINGによる組織活動 ArchBRANDINGによる組織活動

ここからはArchBRANDINGの説明に入る前に、その前提となる匠Methodの「活動のモデル」を解説します。

バックナンバー