現在、音声や言語を認識するだけでなく、発話によって最適な情報を提供する、対話型のユーザーエクスペリエンス(UX:顧客体験)の構築が注目を集めている。対話型の音声操作に対応したAI(人工知能)音声アシスタントを利用したスピーカー(スマートスピーカー)が世界中で販売されており、また、それに対応した音声アプリケーションも数多く提供されている。
音声サービスにおいて最も重要なことは、「生活、ビジネスシーンの中で違和感なく自然な対話ができるか」ということになる。自然対話がビジネス課題に高い効果をもたらし、可能性を広げるという。サービスの設計では、快適な音声サービス体験を提供できる場面を、様々なコンタクト・ポイントの中から戦略的に決定することや、人間と話しているかのような自然対話ができるよう、AIのキャラクター(性格、口調、態度等)設計や、会話の文脈に沿ったシナリオや台詞の設計を行うことが、重要なポイントとなる。
そこで、デジタルマーケティングのUX設計や、キャラクター設計におけるクリエーティブ領域に知見をもつ電通デジタルは、ロボットやAIスピーカー、チャットボットなどのシナリオ・台詞策定の実績があるLibalent、独自のユーザー行動調査を展開するビービットと協力し、新たなソリューション「Voice Experience Innovation」の開発に至ったという。このソリューションを通して、顧客企業への自然な対話による音声サービスの導入をワンストップで支援していくという。
なお、今回の業務提携により、音声サービスにおけるUXの開発に関する研究協議会を発足し、AI、音声サービスを用いたビジネスモデルの変革の支援から、音声サービスに関するテクノロジーの開発まで 幅広く研究成果を共有し、ノウハウ・方法論の蓄積を図るという。また、これにより、音声サービスにおけるUX設計支援をリードする存在を目指すとしている。