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「わがまま化」するデジタル消費者にどう向き合うか?アクセンチュアが最新調査から助言

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アクセンチュアがおこなった最新の「デジタル消費者調査」によると、スマートスピーカの普及は世界的に拡大し、満足度も高い。一方スマートスピーカーの所有者はスマホの使用頻度が低下しているという。また動画や自動運転に対する調査の結果から、企業が採るべき視点を提示した。

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TOP写真:アクセンチュア通信・メディア・ハイテク本部 マネジング・ディレクター 金若秀樹氏/アクセンチュア戦略コンサルティング本部 マネジング・ディレクター 中村健太郎氏

アクセンチュアが世界19か国の消費者21,000人を対象におこなった「2018年デジタル消費者調査」の結果を4月3日に公開した。

その結果によると、Amazon Echo、Gppgle Homeなどの「スマートスピーカー」の普及は拡大しており、2018年末までに前年比で2倍以上に上昇する見通し。このうち、日本の消費者の所有率は16%にとどまる見込みである一方、インドでは39%、米国では37%、ブラジルでは34%、中国では33%と全体の3分の1以上に達すると予想されている。

アクセンチュア発表資料より

全体の回答者の63%がスマートスピーカーを「すでに使用している」または「関心を持っている」と答えており、また現在ユーザーの94%が製品に対して「満足している」または「非常に満足している」と回答している。

アクセンチュア発表資料より

「イノベーターとアーリーアダプターに普及する目安としての10%から15%を超えており、キャズムを超えている」と、アクセンチュア戦略コンサルティング本部 マネジング・ディレクター 中村健太郎氏は言う。

注目すべきは、スマートスピーカーのユーザーの66%が「家庭でスマートフォンを使う頻度が低下した」と回答したほか、64%が「エンターテインメント用にスマートフォンを利用する頻度が低下した」と答えていることだ。また、「オンラインショッピングや通常の情報検索のためにスマートフォンを利用する回数が減った」と回答したユーザーはそれぞれ58%、56%と過半数を占めた。

アクセンチュア発表資料より

アクセンチュアの見方によれば、スマートスピーカーがスマートフォンを完全に置き換えるものではないが、音楽やエンターテイメントの領域では、完全に生活シーンに溶け込んでいるという。

アクセンチュア発表資料より

「たとえば、90年代に一番ヒットしたサザンの曲は?」といった曖昧な問いかけに答えてくれる音声インターフェースは、これまでと違った消費行動を喚起する可能性を秘めている。

そしてスマートスピーカーの提供する価値は機能やスペックによるものではなく、消費者の経験や日常の生活に即して進化していく「ハイパーパーソナライズ」という視点が重要であると、中村氏は指摘する。

広告排除のためにお金は払わない

今回の調査ではスマートスピーカーに加え、「オンデマンド動画体験」「自動運転」「VR/AR」についての動向も示された。

オンデマンド動画は日本においても利用が進んでおり、地上波TVの視聴を確実に押し下げている。無料オンライン動画の利用率は地上波と同程度になっている。
また若年層が見る動画コンテンツは短い尺のものが好まれ、閲覧率と動画時間は反比例する傾向にあり、3ー8分尺のコンテンツが最も人気が高い。

また日本の特長的な傾向としては、日本の場合、「見たい動画のみにお金を払う」という傾向が、グローバルより高い傾向がある。
さらに「動画視聴時の広告を削除するためにお金を払うか?」という問いに対して、日本の場合「払わない」という比率がグローバルより高い。

これについては、「無料であるならば広告は厭わない。TV番組のように広告は当たり前という意識が根付いている」と中村氏は言う。

アクセンチュア発表資料より

「自動運転」に対しては、「安全」に対する期待が最も高いが、日本では「自動運転のためにお金を払う」という意識は低く、今の車の値段に比べて50万円程度しか多く払わないという調査例なども示された。また「VR/AR」については、ゲーム以外の用途に対する期待値が大きいという結果が得られた。

こうした結果から見えてくるデジタル消費者の「わがまま」な傾向を踏まえて、企業はビジネス戦略を構築する必要があるとして、アクセンチュアのマネージング・ディレクターの金若氏、中村氏の両名は、以下の3項目を助言した。

  • リアル・デジタルを融合した新たな顧客体験の構築
  • 機能差分からハイパーパーソナライズによる高い品質の価値提供
  • 顧客体験全体を踏まえたマネタイズポイントの設計

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BizZine編集部(ビズジンヘンシュウブ)

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