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新規事業の“デジタル・ゲームチェンジ”

バーニーのVRIO理論から既存市場をディスラプトする「デジタル・ゲームチェンジ」の方程式を発見する

第3回 

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 第2回は、デジタル時代に関わらず新規事業開発の初期フェーズにおいて重要な「リ・フレーミング」について解説しました。WHITE Inc.のオリジナルフレームワークである「リサーチレンズ」を活用することで、個人のバイアスや業界のルール・前提条件を意識的に破壊し、ユーザーインタビューなど本格的なユーザーリサーチにおける問いの定義、初期仮説(インサイト・アイデア)の設計をしていきます。第3回は、初期仮説(インサイト・アイデア)の設計における「デジタル・トランスフォーメーション」を紹介します。

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新規事業開発における「デジタル・トランスフォーメーション」の武器は、ジェイ・B・バーニーのVRIO理論

 新規事業開発における「デジタル・トランスフォーメーション」の最もシンプルな役割の定義は「既存市場における競争優位性を破壊する」ことであると考えています。

 競争優位性の構築要因については、ジェイ・B・バーニー氏が提唱したVRIO理論の定義を借りると、経済価値(Value)、希少性(Rarity)、模倣困難性(Imitability)、組織(Organization)の4つの要素に区分されます。自社の経営資源(人・モノ・資金・情報・組織)が市場に対して4つの要素を満たすと「持続的な競争優位」の構築が可能となるということです。

▼VRIO理論における競争優位性の4要素(簡易版)


  1. 経済価値(Value):経営資源がそもそも「経済的な価値がある」かを分析する要素です。
  2. 希少性(Rarity):他社が所持していない経営資源を分析する要素です。希少性があれば後発の参入を防げます。
  3. 模倣困難性(Imitability):他社が模倣できない経営資源を分析する要素です。模倣困難性が高いほど、競争優位性を長期間持続できます。模倣困難性には、経路依存、ブラックボックス、複雑性、社会的な制約・制限などが要因となります。
  4. 組織(Organization):経営資源を活用できる組織かどうかを分析する要素です。優位性のある経営資源を有しても活用できる組織ながければ、その優位性を発揮・持続できません。

 つまり「デジタル・トランスフォーメーション」は既存市場において企業が有している4つの要素を破壊するということになります。VRIO理論は一般的に自社分析に活用しますが、WHITE Inc.では戦略キャンバスとVRIO理論を組み合わせ、新規事業の開発における既存市場・サービス分析の新しいフレームワークとして活用しています。具体的には、リサーチレンズで新規事業を検討する市場を「リ・フレーミング」した後に、その既存市場・サービスを分析し新規事業のラフアイデアを考える際に活用しています。

 活用ステップとしては以下のとおりです。(  )内は活用するフレームワーク。

  • STEP.0 新規事業の検討市場のリ・フレーミング(リサーチレンズ 第2回を参照)
  • STEP.1 既存市場・サービスの競争要因と競争優位性を把握する(戦略キャンバス×VRIO理論)
  • STEP.2 競争優位性を破壊するデジタル視点を検討する(デジタル・トランスフォーメーション・レンズ)
  • STEP.3 方程式で初期仮説を設計する

 それでは、STEP.1から順に具体的な解説をしていきます。

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デジタル時代の競争戦略はじめの一歩──「戦略キャンバス×VRIO理論」で競争要因ごとの優位性を考える

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この記事の著者

小池 祐介(コイケ ユウスケ)

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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