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デザインの誤解、デザイン思考の限界──未来からの逆算による0→1課題創出フレームワークとは[前編]

デザイン思考の次にくるもの ~未来からの逆算による0→1課題創出フレームワーク【前編】

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 人間中心視点の発想方法として人気の「デザインシンキング」ですが、実際には0から1を生む事業「創造」には向いておらず、1から10への事業「改善」の段階で最大の効果を発揮します。そこで、0から1を生む事業創造に最適なメソッドとして近年注目されている「スペキュラティブデザイン」を紹介するのが本セミナーのテーマです。

 講師はWASEDA NEO講師で起業家・建築家の各務太郎氏。同氏は早稲田大学理工学部建築学科卒業、電通でコピーライター/CMプランナーとして多くの賞を受賞後に渡米し、2017年ハーバード大学デザイン大学院にて都市デザイン学修士課程を修了。現在は日本におけるインバウンド向けホテル事業で起業中というキャリアを持っており、WASEDA NEOの課題創出型ビジネスデザインプログラムの講師を務めております。

“見立てるチカラ”が世界を変える

 建築学の世界ではロジックやマーケティングよりも「見立てるチカラ」が重視されます。私が通っていたハーバード大学デザイン大学院の名物授業のひとつに、カルロス・ムーロ教授の「Potential Architecture」がありました。意訳すると「建築になり得る、今は建築と呼べないものの授業」といった内容で、ここで私は「映画を建築として見立てる」こと、例えば「黒澤明の羅生門を建築物にする」といった研究を行いました。映画のシーン割りを建築物の部屋に「見立てる」わけです。

タイトル

 映画の「シナリオ」は英語でスクリプトと言いますが、エンジニアの書くプログラム(コード)もスクリプトと呼びますよね。つまり、シナリオというメタな物語を書くことができれば、それを映像、小説、音楽、建築、UXなどさまざまな創作物に「見立てる」ことができるのです。近年、エンジニアが世界を席巻しているのは、多様なメディアに応用可能な「シナリオ(スクリプト)」をつくる能力を持っているからだとも言えるでしょう。Airbnbの創業者も、Pinterestの創業者も建築学部出身であることをご存知でしたか?

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