“正しい理想”を押し付けることで失敗してしまうESG
ESGやSDGsが注目される背景には、欧米ではそれらに注力すること自体が「善」であるという認識がある。従って、ESGやSDGsは目指すべきものとして掲げられた「理想論」としての目標、極論すれば「お題目」であるとも言える。
国際社会の一員であり、また海外からの投資も積極的に受け容れようとする日本企業においても、その目標は共有され、取り組まなければ “ならない”ものである。しかし、「良いことだから、やりましょう」「決まりなので、やらなければなりません」というかけ声だけでは、人間は簡単に動かない。「建前と本音」という使い古された言葉があるくらい、単なるお題目に反応するほど人間は単純ではない。