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企業の経営課題に京都大学が一丸となって取り組む──京大オリジナル大西氏が語る新しい産学連携とは

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京都大学3000人の「知」を社会に届ける京大オリジナルとは?

──大西さんが所属している京大オリジナルとはどのような組織なのでしょうか

大西:京都大学の「知」を産業界・社会とつなぐことを目指し、2018年6月に設立された京都大学の事業子会社です。

京都大学には約3000名の教授や研究者がいますが、特許にかかわる研究者は、そのうち200人程度しかいません。それは、大学の研究者の本分が“研究”と“教育”だからです。ここでいう“研究”とは、論文発表や学会での発表であり、「特許を取得する」ことは、研究において必須というわけではないのです。京大オリジナルでは、権利化されていない研究も含めた、京都大学約3000名が持つ「知」を整理し、産業界や社会とつなぐことを目指しています。

──どのような事業をされているのでしょうか

大西:「コンサルティングサービス」と「研修・講習」の二つの事業を行っています。

コンサルティングサービスには、「大学の知的財産を事業化するためのマーケティング活動」と、「企業の課題に対する、大学の『知』を組み合わせた課題解決の提供」という二方向のサービスがあります。一般的なコンサルタントやシンクタンクのように自ら課題解決にあたるのではなく、課題解決にあたる研究者を集めたチームづくりをしています。

コンサルティングサービス

研修・講習では、大学の研究成果や先生の専門性を法人向け・一般向けのセミナーとして公開しています。また、エグゼクティブ向けに京大の教授陣による一般教養のセミナーを開講しています。研究内容に加えて、世界で戦う一流の研究者がどのように壁を乗り越えたか、新しい考えをどのように生み出しているのかという先生たちご自身の経験も語っていただいています。これも京都大学の「知」を整理して社会に還元する「産学連携」の形の一つだと考えています。

研修・講習

──企業と大学が研究分野で提携する「産学連携」よりも広い意味での「産学連携」を扱っているんですね。

大西:そうですね。「産学連携」における大学の使命は、大学で生まれる新しい考えや、エビデンスに基づいた見解を社会に提供することです。事業として収益をあげることを目指す企業とは、担っている領域が違うし、時間的な感覚も違います。しかし、大学と企業の間には優劣はありません。

もちろん産学連携の主な目的は「事業化を目指した共同研究」です。京都大学発の技術が事業化の種となったり、企業の課題を京都大学の技術で解決することは、京都大学の産学連携において一番の軸となります。

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