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Tech Sirius 2019開催、INCJ土田氏らがベンチャー投資の問題を指摘、企業マッチング求め12社がプレゼン

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 VC企業テックアクセルベンチャーズが主催するマッチングイベント「Tech Sirius 2019」が2月14日に開催された。講演では、NICJの土田誠行氏、富士通の徳永奈緒美氏、Fenox VCのアニス・ウッザマン氏が登壇。12チームのプレゼンが行われ、EAGLYSが最優秀賞を受賞した。

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「中間層がベンチャー投資をだめにしている」INCJ土田氏

 主催のテックアクセルベンチャーズはリコー、オムロン、SMBCベンチャーキャピタルが、産業革新機構、三井住友銀行からのLP出資を受け設立されたファンド。大企業とのマッチングを目的に基調講演のほか、12グループの事業プレゼンが行われた。

 基調講演では、株式会社INCJベンチャー・グロース投資グループ長の土田誠行氏、富士通株式会社 ベンチャー協業推進部 部長の徳永奈緒美氏、Fenox Venture Capitalのアニス・ウッザマンCEOが登壇。

 土田氏は冒頭「お騒がせしたがINCJは元気だ」と述べる。昨年末、産業革新投資機構の取締役辞任、INCJへの事業移管について触れ、その上で「官民ファンドとして民間ができないことに注力する」と投資意欲の継続姿勢を示し、「短期的な収益ではなく投資インパクトを重視する」と述べた。

タイトル株式会社INCJベンチャー・グロース投資グループ長 土田誠行氏

 今後の計画としては、ある程度成長したグロースベンチャーにも積極投資をおこない日本のユニコーンを育てたいという。これまで戦略的LP投資を含めてベンチャー投資は107件、2446億円の資金投資を行ってきた実績に触れ、「これまで日本での大型投資は限定的だった。NICJのベンチャー投資は2割の貢献をしている」と自負を示した。

 さらに、今期を含めての2022年3月期までの4年間に、現時点で優先度が高い新規投資案件と既存投資案件への追加投資を実施し、投資金額1767億円に対し、約2倍のリターンをめざす。この2倍というのは、NICJが出資したルネサスの含み益には頼らない数字だという。

 さらに「日本のCVCのネックは中間層。われわれが社長に相談した案件が中間の専務や常務、部長のレベルで潰される」と指摘。そのために「投資先の技術を現場に知らせる内覧会」などをおこなうなど、トップと現場の双方から中間層を攻めるのだと意欲を示す。

「大企業あるあるVC」の失敗を超えた富士通

タイトル富士通株式会社 ベンチャー協業推進部 部長 徳永奈緒美氏

 富士通の徳永氏は、富士通のベンチャー支援の取り組みが過去、何度か失敗を繰り返した経緯を紹介。現在は100億円規模のベンチャーファンドを運営する富士通だが、これまでは「大企業あるある」型の失敗として、「上から目線」「ゴール不在」「事業部とのスタートアップが繋がりたくても検討プロセスが進まない」といった時期が続いていた。

 こうした課題の総括を踏まえて、現在のアクセラレータープログラムでは、事業部門の幹部を巻き込んだ積極的なコミットを推進しているという。2015年からの累計では協業検討は約100件、協業実績は約50件に達した。ロボットAIプラットフォームやニューラル機械翻訳などのベンチャーとの共創事例も生まれ、「スタートアップ連携に本気の企業」(※)の4位に選ばれたという。その上で、徳永氏は「現在のようなオープンイノベーションのブームが終わった後でもやめない企業こそ本気」として、継続していくことの意欲を示した。

※ イノベーションサミット実行委員会と経済産業省の共同調査

「ブレインチップと量子コンピュータに注目を」ウッザマン氏

タイトルFenox Venture Capital アニス・ウッザマンCEO

 アニス・ウッザマン氏はこれから重要になるのは、ハードウェアチップの進化だとして、CPU以降の、GPU、TPU、ニューロチップや量子コンピュータの流れを語った。

 AIの機能を端末側でおこなうエッジコンピューティングと、クラウド上で超高速処理をおこなう量子コンピューティングという両面で進化しているハードウェアの進化は、ベンチャー投資にとっても無視できないという。

 その最先端が、人間の脳の神経回路網のように自己学習する「ニューロモーフィック」の分野だと語り、その代表として、IBMの「TrueNorth」や、Intelの「LOIHI」といったブレインチップと、Yコンビネーター出身の半導体スタートアップ企業のRAINを紹介。

 さらに、ソフトウェアではニューロモーフィックベンチャーのVacariousが要注目だと言う。同社にはFenoxVCを通じて、アイシングループ、セガサミー、イノテックが出資している。

 また、量子コンピュータではカナダのD-Waveとともに、元IBMの量子コンピュータ科学者が設立したRigettiに注目すべきだと述べ、「ベンチャー投資もこの流れについていくべき」と力説した。

12グループがプレゼン、最優秀賞はEAGLYSに決定

後半は、以下の12のグループ、企業がプレゼンをおこなった。

1.株式会社イノフィス
電力不要かつ高い補助力で装着者の動作を補助する、外骨格型作業支援ロボット「マッスルスーツ」(HP:https://innophys.jp/
機械重工業、複写装置販売、ゼネコン

2.立命館大学情報理工学部音情報処理研究室
音で空間を分割可能な空間シェアリング技術(HP: http://www.aspl.is.ritsumei.ac.jp/
電機、建材、自動車

3.EAGLYS株式会社
データを守りながら活用する、秘密計算エンジンfor AI 「VIKI」
(HP: http://eaglys.co.jp/
銀行・保険、広告・マーケティング、製薬・医療機器

4.aiwell株式会社
健康状態を把握/予測するAIプロテオミクスによる未病を防ぐ検査ソリューション(HP: https://www.aiwelljapan.com/
薬品、訪問介護、介護施設経営

5.MI-6株式会社
材料開発の飛躍的な効率化を実現するマテリアルズ・インフォマティクス(HP: https://mi-6.co.jp/
化学、非鉄金属、ゴム・タイヤ・ガラス

6.株式会社エルブズ
自治体、住民を巻き込み地域経済圏を形成し、地方創生を実現する「御用聞きAI」(HP: https://elvez.co.jp/
市町村自治体、電力、鉄道、飲料

7.TechMagic株式会社
AI、ロボティクス、IoTの最先端技術を駆使したロボット調理器で飲食業務の自動化(HP: http://techmagic.co.jp/
飲食、小売、商社

8.テスラシート株式会社
モノを電源の制約から開放する可動体にも無線給電可能なテスラシート(HP: http://teslasheet.co.jp/
自律移動ロボット(工場、物流)、アミューズメント

9.GAiTE(九州大学起業部)
歩き方と容姿による、次世代の生体認証である「歩容認証」技術(HP: なし)
シンクタンク、システムインテグレータ、警備サービス

10.エーテンラボ株式会社
5人1組の励まし合いコミュニティ「みんチャレ」を用いた健康、トレーニング、学習などの習慣化サービス(HP: https://a10lab.com/
消費財、マーケティング、スポーツ用品、食品

11.BionicM株式会社
障害者のモビリティを飛躍的に高める、これまでになかったハイブリッド義足(HP: https://www.bionicm.com/
福祉製品

12.株式会社DeepX
ディープラーニングを活用したこれまでにない機械自動化技術(HP: https://www.deepx.co.jp/
ゼネコン、食品・食品加工業、搬送機器

授賞式では、以下企業が選ばれ表彰された。

  • EY賞 MI-6株式会社
  • SMBC日興証券賞 株式会社DeepX
  • 富士通アクセラレータ賞 aiwell株式会社
  • 最優秀賞 EAGLYS株式会社

タイトルEY賞 MI-6株式会社

タイトルSMBC日興証券賞 株式会社DeepX

タイトル富士通アクセラレータ賞 aiwell株式会社

タイトル最優秀賞 EAGLYS株式会社

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