SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

おすすめのイベント

おすすめの講座

イノベーターの本棚

“日本人はチームワークが得意”という常識の嘘 

“The Wisdom of Teams”

  • Facebook
  • Twitter
  • Pocket

「真のチーム」になるための6つの条件

 4つの効用により変革や業績向上をもたらすチームを、カッツェンバック氏たちは「真のチーム」と呼びます。真のチームとは、共通の目的、達成目標、アプローチに合意しその達成を誓い、互いに責任を分担する補完的なスキルを持つ少人数の人たち、と定義しています。

 そして、「真のチームになるための6つの条件」を明らかにしています。

  • 条件1:十分に少人数
  • 条件2:メンバーが互いに補完的なスキルを持つ
  • 条件3:真に意義のある目的を持つ
  • 条件4:具体的な目標を持つ
  • 条件5:問題解決のアプローチを共有する
  • 条件6:メンバーが相互の責任を持つ

 このように指摘されると、齋藤ウィリアム氏の“日本にチームがない”とする指摘の意味がよく分かります。確かに日本ではこのような条件を満たすチームはほとんどないかと思います。伊賀氏と同じマッキンゼーのOBで最近『君に友だちはいらない』(講談社)というチームの本を出版された瀧本哲史氏は、この本で日本に「ありがちなチーム」は以下のような特徴があるとしています。

  • 年次、経験、職位、バランスで選ばれた数多くの正式メンバー
  • メンバーは固定的なスキルを持つ
  • 定型的で平凡な課題と達成目標
  • 目標へのコミットメントはやったふり、仕事をしたつもり
  • 問題解決ごっこ
  • 集団責任は無責任

 ここで、「コミットメント」というキーワードが出てきます。カッツェンバック氏たちは、チームが実現できる業績に応じてチームのレベルをいくつかに分類しています。

チームが実現できる業績に応じたチームのレベル▲図表1 チームが実現できる業績に応じたチームのレベル

 トップにあるのが本書のタイトルになっている「高業績チーム」で、さきほど6つの条件を示した「真のチーム」は、その次に位置するものです。

 高業績チームと真のチームの違いは“コミットメント”にあります。高業績チームにはコミットメントとして、メンバー個々がプロフェッショナルで、他のメンバーの目標達成を心から手伝おうとします

次のページ
日本でイノベーションが起こらない理由

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • Twitter
  • Pocket
イノベーターの本棚連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

好川 哲人(ヨシカワ テツト)

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

  • Facebook
  • Twitter
  • Pocket

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング