リクルートの新規事業開発とスタートアップ支援で気付いた、“提案数”の重要性
畠山:株式会社アルファドライブを立ち上げる前、リクルートグループでどのようなことをしていたかという経歴からお聞きしてよろしいですか。
麻生要一氏(株式会社アルファドライブ代表取締役社長兼CEO、以下、敬称略):新卒でリクルートに入社して、入社3年目に立ち上げた新規事業を5年目に株式会社ニジボックスとして子会社化し、そこから7年間経営をしていました。リクルートがリクルートホールディングスとして一部上場したタイミングで呼び戻され、そこから新規事業開発室長として「Recruit Ventures(リクルートベンチャーズ)」というボトムアップ型の新規事業開発プログラムを担当していました。社員一人ひとりがやりたいことを起点とした約1500件の新規事業を支援してきました。
畠山:1500ってすごいですね。
麻生:それと同時に、オープンイノベーション戦略の一環として「TECH LAB PAAK(テック・ラボ・パーク)」というスタートアップ支援オフィスの立ち上げと運営にも関わっていました。起業家の卵の人たちに入居してもらって、半年間で会社を作ったり最初のプロトタイプを作ったりする支援プログラムです。複数のチームが参加する半年のプログラムを3年間で12グループ、つまり12バッチ回し、計318社を輩出しました。
畠山:私がお手伝いをしているアクセラレータプログラムは年に2バッチなので、3年間で12バッチは大変な数に感じます。それだけの数をこなすということは、何かしらのこだわりや思い入れがあるのでしょうか。
麻生:事業化案件の質を高めるためには、提案数を増やすことが重要だと考えています。最終的に事業化する案件が3件だとすると、100分の3よりも500分の3のほうが、スケールする事業になりやすいのではないでしょうか。