スタートアップと大企業におけるイノベーションの“質”の違い
畠山:スタートアップ発のイノベーションで「人々の生活を大きく変えた」という例は少ないかもしれませんね。上場したとしても、「ある程度儲かりました」「生活がちょっと良くなりました」で終わってしまうケースが多いのは強く感じます。
麻生:スタートアップと大企業では、イノベーションの“質”が異なります。たとえば先進テクノロジーや未整備の新領域など、まったく新しい世界を一から作るのはスタートアップのほうが適していると思います。一方、社会課題に取り組み、既存の社会システムに変革をもたらす規模の事業は大企業が向いていると思います。質の違いを考慮せず、「イノベーションはスタートアップ、安定した既存事業は大企業」という分け方をしようとしたために現在の停滞が生まれているのかもしれません。