実践者と語った、越境4.0時代のリーダー育成──意義ある越境活動の選び方・使い方、その効果とは?

 組織や個人の変革・成長を目的とし、ビジネスパーソンが所属組織の枠を越えて活動する「越境活動」に注目が集まっている。海外留学や副業・兼業、プロボノ、留職、更にはベンチャー企業との人材交流まで、バリエーションも増える中で、自社や自らにとって本当に意義のある越境活動を見極めるにはどうしたらいいのか。2019年11月6日に開催された「越境4.0時代のリーダー育成~意義ある越境活動の選び方・使い方」では、グローバルな越境活動「留職」をはじめとした様々な越境プログラムを展開するNPO法人クロスフィールズと株式会社マクロミルによる「組織外の活動・経験に関する調査」(以下、本調査)を紹介。早稲田大学大学院 早稲田大学ビジネススクールの入山章栄教授やクロスフィールズ代表の小沼大地氏が評価・解説を行ない、パネルディスカッションでは様々な立場のキーパーソンが「越境4.0時代のリーダー育成」と題して、議論を交わした。

[公開日]

[講演者] 入山 章栄 沖 依子 柴田 寛文 小沼 大地 [取材・構成] 伊藤 真美 [写] 黑田 菜月 [編] 栗原 茂(Biz/Zine編集部)

[タグ] タレントマネジメント ダイバーシティ 越境

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「越境活動」の変遷と今。越境4.0への進化とは

 まずイベントの主催者であり、NPO法人クロスフィールズ代表理事の小沼大地氏が登壇し、「クロスフィールズを立ち上げて8年、設立当時はほとんど聞かれなかった『越境活動』もここ数年で大きく変化を遂げてきた」と感慨深げに語った。

 「越境活動」に注目が集まる背景には、企業の経営環境がVUCAと呼ばれるように不確実性に溢れ、その打開策としてオープンイノベーションなどの外部とのつながりが求められていることが上げられる。そんな時代の「越境活動」とは何か。先駆者として活動する小沼氏は、次のように定義した。

越境活動とは、ビジネスパーソンが自らの所属する職場や業務の枠を超えて、学び、成長する機会を得る活動を全て総称するもの

 このように広い概念の「越境活動」だが、実際、時代とともにその範囲や手法などを広げてきた。1980~90年代の海外MBA全盛時代(越境1.0)にはバブル期の社員派遣とバブル崩壊後の自力留学が主な海外渡航であり、1995年の阪神淡路大震災や1998年の特定非営利活動促進法(NPO法)の制定・施行を機としたプロボノ・ボランティアの活発化(越境2.0)を経て、さらに今では副業・兼業や留職など多種多様な越境活動(越境3.0)が行われるようになっている。MBAもプロボノを斡旋する事業者はもちろん、海外との副業マッチングプラットフォームが登場するなど、越境のプログラムは選択肢が増え、何をどう選んでいいのか迷う状況になりつつある。

 そこで、本調査を企画したクロスフィールズ代表の小沼氏は、越境活動の変遷をふまえ、これからはただ単に越境活動をすれば良いわけではなく、意義ある越境を見極めて上手く使い分ける「越境4.0」の新しい時代に入っていくべきだという新たなコンセプトを掲げた。その上で、今回のイベントでは次のポイントから越境活動の本質を改めて見極めていきたいとした。まず1つ目は入山教授の講義のもと「一義的な越境活動の意義」を振り返るというもの、2つ目がマクロミルとの「組織外の活動・経験に関する調査」を踏まえた「越境活動の選択仕事の効果とメリット」を共有すること、そして3つ目に「越境活動の活用イメージ」を協議し共有し合う合うというものだ。

 なお「越境4.0」の時代を迎えるにあたり行なわれた「組織外の活動・経験に関する調査」は4000人という大規模調査であり、マクロミルのプロボノ活動として半年間をかけて行なわれ、無償で公開されている。

 小沼氏「この場から、この場に集った皆さんとともに新たな越境活動として『越境4.0』を生み出し、発信していきたい」と語り、当イベントの開始を宣言した。

小沼大地NPO法人クロスフィールズ 共同創業者・代表理事 小沼 大地氏

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