Fractaが開発したオンライン管路診断ツールは、水道管路に関するデータ(配管素材・使用年数、過去の漏水履歴等)と、独自に収集した1,000以上の膨大な環境変数を含むデータベース(土壌・気候・人口等)を組み合わせて、各水道配管の破損確率を高精度に解析する。破損確率の高い水道配管から更新を行うことで管路整備におけるメンテナンスコストの最適化を実現すると共に、配管の破損・漏水事故を最小限に抑えることが可能となる。Fractaは現在、オンライン管路診断ツールを米国27州にわたる60以上の水道事業体に提供している。
このAI技術の日本における有効性を、6つの水道事業体にて2019年に検証。3つの水道事業体(川崎市、神戸市、越谷・松伏水道企業団)では検証を完了し、米国で実用化しているオンライン管路診断ツールと同等の有効性が確認されたため、Fractaは今春より水道事業体に向けて当ツールの提供を開始する。今後、神奈川県等の他水道事業体における検証が完了次第、検証によって得られた水道管の劣化パターンを当該AI技術に学習させることで、予測精度の向上を図るという。
Fractaは、独自のオンライン管路診断ツールを2022年までに100超の水道事業体への提供を目指し、持続可能な水道事業の運営を支援するとしている。