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デジタル技術の活用による行動変容

デジタル技術の進化による最新の「行動変容」──新型コロナ対策で実践される“3つの介入”

第1回

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 今、デジタルを活用した「行動変容」が注目されています。様々なツールが出現し、ビジネスへの応用も本格的に始まっています。本連載では、デジタル化による行動介入手法の進化について、国内外の最新事例を交えて解説し、ビジネスの現場や社会で、行動変容理論をどのように取り入れることができるかを紹介します。さらに、「デジタル技術を使い人の行動を変える」ための理論を体系化していきます。第1回となる今回は、新型コロナウイルスを例に挙げながら、行動変容の大きな枠組みについて解説していきます。

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デジタル技術によって行動変容の手法は進化した

 新型コロナウイルス感染症の世界的流行は、日常の市民生活に大きな変化を及ぼしています。地域別の感染者数・死亡者数などが日々発表され、国内では「3密」というキャッチーな言葉を使ったメッセージも発信されました。また、オフィスへの出勤や長距離移動などの外出自粛が求められ、レストランでの飲食やエンターテインメントなども制限されました。その結果、私たちは花粉症や風邪以外でもマスクをつけ、人混みを避け、可能なら自宅で仕事をし、店に入る時は手指を消毒し、帰宅時はうがい手洗いをすることが当然となりました。

 これらの行動は、新型コロナウイルスに限らず感染症予防全般に有効だと以前からいわれていたものですが、今回の新型コロナウイルス感染症流行に伴う政府やメディアの働きかけによって、はじめて大多数の人々が日常的に実践することとなりました。このような人々の行動の変化を「行動変容」と呼び、特定の目的のもと、人々の行動変容を促すための働きかけのことを「介入」と呼びます。心理学や行動経済学の枠組みを通じて研究されてきた行動変容は、デジタル化による介入手法の進化によって、急速にビジネスの現場や社会で取り入れられるようになりました。

 一般的にデジタル化は、細かい粒度でのデータ取得、データアナリティクスや人工知能技術などを用いた個別最適化を可能にし、リアルタイムでの対応も可能にします。行動変容においてもデジタル技術による介入手法の研究が進み、サービス面では1.個別最適化の実現、2.介入手段の多様化、3.コミュニケーション量・質の向上、インプット面では4.透明性・正確性の向上、5.最新化の容易さ・頻度の向上の進化が見られます(図1参照)。実際、新型コロナウイルス感染症対策で登場した介入手法においても、これらの進化が見られています。

図1:デジタル技術の取り入れによる行動介入ソリューションの変化著者の藤井・一宮作成

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この記事の著者

藤井 篤之(フジイ シゲユキ)

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

一宮 恵(イチミヤ メグミ)

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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