SDGs(持続可能な開発目標)の採択から約5年が経ったが、日本の生活者への浸透は未だ十分ではない。2020年1月に博報堂が行った調査によると、SDGsの認知率は36%あるものの、内容まで知っている人は16%と未だ低く、引き続きSDGs達成のための生活者自身のアクションを拡大していく余地がある。
そのための活動として、博報堂は「誰もが日常生活で行っているアクションから始めよう」という発想のもと、2018年より生活者の「買い物」の行動をSDGs達成の具体的なアクションへと変えていくプラットフォーム「未来を変える買い物 EARTH MALL」の取り組みを行ってきた。
今回はそれに続く第二弾として、生活者が日常的に行っている「食べる」という行動に注目し、食に関わるSDGsアクションを広げていく新たなプラットフォーム「未来を変える食卓 EARTH MALL TABLE」を立ち上げた。
新型コロナウイルスの外出自粛により、生活者は当たり前に食卓を囲めることの貴重さに気付き、食べ物の生産者や食の持続可能性についても関心を持つなど、食について考える機会が増えている。「EARTH MALL TABLE」は、この関心の高まりを「生活者の意志ある食の選択」につなげていくことを目指して、自分が食べるものが環境や社会に与えるインパクトや、食材の選び方、調理や廃棄の方法などを知ることができる機会を提供していくもの。
具体的には、食品や調理器具など食に関係するさまざまなジャンルの企業と協働しながら、生活者への啓発コンテンツの制作や、国際認証の取得のサポート、サステナブルな食について学べるオンライン・オフラインイベントの企画制作などを行っていく。第一弾として、「料理」を通じてSDGsを学びアクションにつなげるプログラムの実施を予定している。また、若者からシニアまでの各世代と親和性の高いメディアとの創発プログラムも行い、活動を広げていくとしている。
博報堂SDGsプロジェクトは、食の意識を変えることが未来を変えていくと信じ、「EARTH MALL TABLE」を通じてそのアクションを広げていくことで、SDGs達成へ貢献していくと述べている。
未来を変える買い物 EARTH MALL
有識者ネットワークである OPEN 2030 PROJECT から生まれ、博報堂が社会実装を担う、生活者にとって身近な「買い物」で通じて持続可能な未来を実現する SDGs アクション・プラットフォーム。「買い物」を「生活者が未来を変えるアクション」と位置付け、商品の成り立ちや適量を考えた買い物を促すプログラム。地球を一つのショッピングモールと見たて、地球での豊かな生活を続けていくことを呼びかけている。
博報堂 SDGs プロジェクト
SDGsの視点からクライアント企業のビジネスイノベーションを支援する全社的プロジェクト。マーケティング・ブランディング、PR、ビジネス開発、研究開発、クリエイティブなど、SDGs に関する経験と専門性を持つ社員で編成。次世代の経営のテーマとなる、企業の経済インパクトと社会的インパクトの統合に資するソリューション開発や経営支援、事業開発支援、マーケティング支援などを行う。