この実証実験では、佐久間町のNPO法人がんばらまいか佐久間、浜松市および電気の地産地消を推進する浜松新電力、TISが参加する「浜松佐久間MaaS推進協議会」が、EVでのタクシー運行を行う。EVは、佐久間町に設置した太陽光パネルで発電した電力などを利用して運行することで、過疎地域交通の利便性の向上と運用業務の合理化、再生可能エネルギーの地産地消を目指す。
TISは、過疎地域の次世代交通・エネルギー問題の解決を目指し2019年8月に北海道厚沢部町で行った実証実験「ISOU PROJECT」で使用したMaaSプラットフォームを改良し、本実証実験で活用されるタクシーのオンデマンド配車システムを提供する。
この実証実験では、CTI(音声自動応答電話)を活用したオンデマンド・前日乗車予約の仕組みによって、高齢者などにも利用しやすい環境を整え、電話の音声ガイダンス利用が困難な難聴者向けにはタブレット端末の操作でタクシーを呼び出せる「浜松佐久間MaaSかんたんアプリ(仮称)」の開発と提供を順次行う予定。また、呼び出し・予約・配車をシステムで受付ることで、従来のオペレーター対応コストを削減する。
また、佐久間町が属する浜松市天竜区は「浜松市エネルギービジョン」に基づき浜松市が進めるスマートプロジェクトのモデル地区の一つであり、TISは、本実証実験を通して地域内のスマートコミュニティ事業・創エネ事業などの実現可能性の検証と、浜松市と協力して地域のエネルギー事業に対する支援の検討も行う。
「浜松佐久間MaaS推進協議会」では、本実証実験後に、佐久間町での本格サービス展開の有無、他自治体への同サービスの展開を視野に入れた事業化、および自治体と連携した再生可能エネルギーなどのエネルギー地産地消を通してのエネルギー政策の立案・支援を進めていくとしている。