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アリババ、ニューマニュファクチャリング・デジタル工場を発表

 アリババグループは、新たな製造モデルである「ニューマニュファクチャリング」を初めて採用したデジタル工場、「迅犀(シュンシー)デジタル工場」(Xunxi Digital Factory、以下Xunxi)を発表した。

[公開日]

[著] BizZine編集部

[タグ] 企業戦略 DX 製造業 ファクトリー・オートメーション

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 アリババのクラウドコンピューティング基盤とIoTを活用した杭州市の工場で、中小企業にデジタル化したエンドツーエンドの製造サプライチェーンを提供し、完全にカスタマイズされた需要に基づく製造を実現するもの。これにより、特に零細企業は顧客の変化するニーズに、よりうまく迅速に対応が可能となり、30兆人民元(4兆米ドル以上)以上の規模を誇る中国の製造市場のデジタルトランスフォーメーションの恩恵を得ることができるとしている。

 アリババグループ傘下、Xunxi Digital Technology CompanyのCEOアラン・ウー氏は以下のようにコメントしている。

「データはニューマニュファクチャリングの中核であり、データインサイトを活用することは、大量生産品からパーソナライズされた商品へと移る消費者の嗜好の変化の中で、新たな機会を獲得するための鍵となります。ニューマニュファクチャリングは、データドリヴンのインテリジェンスとテクノロジー提供を通じて、従来型の製造業者を変革し、リアルタイムの需要に基づき製造できる、より俊敏なモデルに移行することができます。これにより、利益拡大と在庫管理を図りながらパーソナライズされた消費者のニーズにも対応できるようになります」

 ニューマニュファクチャリングの導入は、2016年に創業者ジャック・マーが発表したアリババの「Five News戦略(ニューリテール、ニューマニュファクチャリング、ニューファイナンス、ニューテクノロジー、ニューエネルギー)」の新たなマイルストーンとなるもの。

 Xunxiの出発点として、製造サイクルが長く在庫量が多いことが事業規模の大小を問わず企業の課題となっているアパレル業界から取り組むことになったという。リアルタイムのリソーシング、プロセスとコストのプランニング、自動化された構内物流、Xunxiの製造運用システムなどの新技術を活用し、同工場は小バッチ生産の注文に合理的なコストと短い納期で対応し、結果として生産効率を25%から平均55%に引き上げるとしている。

 Xunxiのトレンド・販売予測モデルと、独自の人工知能支援型の統合生産設計基盤により、製造業者は顧客の嗜好を把握することが可能だという。情報の流れを改善することで、研究開発費を削減し、急速に変化する消費者が求めるパーソナライゼーションに対応することができると述べている。

 アパレル分野はアリババの中国リテール市場の最大の領域の一つとなっている。そのため、顧客に対するインサイトの収集にはアリババに大きな優位性がある。これまで、業界全体で過剰在庫により売上高に30%の損失が出ているとの調査もある。Xunxiの試運転は、「あらゆるビジネスの可能性を広げる力になる(To make it easy to do business anywhere)」というアリババのミッションを示すもの。『メイド・イン・クラウド』製造モデルを活用することで、中小企業が急速に変化するファッション市場で競争力を維持することができるように支援していきたいと述べている。

 同工場は開設当初から淘宝(Taobao)および天猫(Tmall)のECプラットフォームの出店業者、ライブ動画配信業者、デザイナーと協力しながら、アパレル製造の新たな可能性を模索し、実験している。

 9月14日に開催された世界経済フォーラムでは、第四次産業革命技術を大規模に採用することに成功した世界有数企業のコミュニティー「グローバルライトハウスネットワーク」は、その「ライトハウス」として、Xunxiを認定。これはXunxiが強力なデジタル技術と消費者に対する洞察を組み合わせ、完全にデジタル化された新たな製造モデルを実現した取り組みが認められたものと言える。

 Xunxiは、新型コロナウイルス感染症の流行によりさまざまな業界でデジタルトランスフォーメーションが進む中で発表された。今後、Xunxiはアパレル業界の製造業者が在庫水準をさらに縮小しつつ、引き続き効率の改善やカスタマイズの強化を図ることができるよう支援すると述べている。アリババはこの取り組みを進める中で、このテクノロジーを現在のファッション・アパレル以外の業界にも展開予定だとしている。