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デジタル技術の活用による行動変容

デジタル技術がもたらした「メッセージング」の進化──ターゲットごとの最適化が行動変容を促す

第4回

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メッセージングの効果を決める3つの要素

 言葉や画像、映像による表現には、人が受ける印象や考えを左右する力があり、人の行動を変える効果があります。

 たとえば、「LEDは蛍光灯と比べて消費電力が半分」と表示した家電売り場と、「LEDは蛍光灯と比べて電気代が半分」と表示した家電売り場では、どちらでよりLEDが売れるでしょうか。また、「手洗いは感染からあなたを守ります」と書かれた洗面所と、「手洗いは感染からみんなを守ります」と書かれた洗面所では、どちらでより手洗いが実践されるでしょうか。どちらの例も、前者と後者は近しい意味合いを持ちますが、いずれも後者の効果が高くなることが研究からわかっています。また、スマホアプリの口コミ・評価を誘う文面も、以前は「評価しますか?」が主流でしたが、最近は「応援しますか?」というメッセージに変わってきました。これは、より高評価をつけ、前向きな口コミを記載する人に、より多く応じさせる狙いがあると考えられます。

 これらのように、特定の人に対して意図を持ってメッセージを伝えることを、「メッセージング」といいます。メッセージングは、街中の看板や広告の一言、道路標識、お店の売り子が発する声掛け、ホームページやスマホアプリのポップアップ画面など、日常のあらゆるところに組み込まれています。

 これまでメッセージングは、より多くの人に商品を買ってもらうためのマーケティング戦略や、法律やルールを守ってもらうための呼びかけといった形で発展してきました。特に情報量が格段に増えた現代では、他の情報に紛れず、人の注意を惹き、スルーさせないメッセージ、そして購入やルール順守などの具体的な行動につながるメッセージのつくり方や伝え方の重要性が増しました。

 メッセージングの効果を決める要素は、主に3つに分類されます。

  1. 表現(何を・どうやって):言葉や文章による伝え方、画像や映像、音などの表現による視覚・聴覚への訴え方、アラートや通知などの発信方法の工夫
  2. タイミング(いつ・どこで):ターゲットにメッセージを伝える時間・場所・状況の最適化
  3. 頻度(どれだけ): 対象にメッセージを届ける回数や間隔の最適化

 ターゲットとするグループや人に応じ、この3要素をカスタマイズすることで、メッセージングの効果は高まります。これらの要素を対象に合うよう最適化し、より一層心に響くように、刺さるように工夫して発信することを、ここでは「個別化メッセージング」と呼びます。

図1:表現(何を・どうやって)個別化の切り口著者の藤井・一宮が作成

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この記事の著者

藤井 篤之(フジイ シゲユキ)

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

一宮 恵(イチミヤ メグミ)

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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