デジタルによる“表現”の事例:ターゲットに合わせて訴求するデジタル自動販売機
まずは「何を・どうやって」に相当する表現の個別化からみていきましょう。
都心の駅で全面ディスプレイ型の自動販売機を見かけたことがある方も多いと思います。JR東日本ウォーターサービスが手掛ける「次世代自動販売機」には、カメラやセンサが搭載されており、人が前に立つと同時に年齢や性別等の属性を推測します。過去の販売データ分析や気温・時間帯をもとに、目の前にいる人と同じ層が求めるものを導き出し、ターゲットが最も欲していると考えられる商品候補を、効果的な並べ方で表示します。従来の自動販売機では、並べられた固定の商品のうち、自販機の前に立つあなたにとって半分以上は魅力的に感じないものだったかもしれませんが、この自販機はあなた個人が今欲しいものを分析して提示してくれるのです。これにより、消費者は自分の希望に合う商品をいつでも身近に選ぶことができ、商品購入という行動変容がより達成されやすくなるといえます。