具体的には、ローランド・ベルガーが現行MD業務の分析・課題抽出を行う一方、ABEJAがデータ分析と予測モデルの開発を行いながら、機械学習モデルを活用した新しいMD業務のプロセスを共同開発するコンサルティングパッケージを提供する。
ABEJAは2020年にローランド・ベルガーが創設した「価値共創ネットワーク」(VCN: Value Collaboration Network)に加わり、様々な協業を行ってきた。既に、大手アパレルや大手小売業向けに共同プロジェクトを実施している。
両社は、今回のパッケージ開発・提供により、アパレル業界の需要予測におけるAI活用浸透を進め、作り過ぎ・在庫過多という業界課題を解決していきたいと考えている。ローランド・ベルガーが持つコンサルティングの知見と、ABEJAが持つAIの技術力をかけあわせ、初回生産やクイックレスポンスなど発注タイミングとブランドの特性を組み合わせた予測モデルを開発・提供していくとしている。
今回の提携にあたり、ABEJAの事業管掌取締役菊池佑太氏、ローランド・ベルガーのパートナー福田稔氏は、以下のようにコメントしている。
ABEJA 事業管掌取締役 菊池佑太氏
「ABEJAはこれまで、『ABEJA Insight for Retail』という小売業界特化SaaSを通じて、アパレル業界をはじめとする小売業界の課題に向き合ってきました。また、小売業界に限らず多くの業界におけるAIの実装支援を行なってきました。アパレル業界の大きな課題として、余剰在庫の処分が挙げられます。ローランド・ベルガーさんのMD業務プロセスの課題を抽出するコンサルティング力と、ABEJAが長年培ってきたデータ活用の知見とAI開発の技術力を掛け合わせることで、業界全体の課題解決につながる価値を創造していければと思っています」
ローランド・ベルガー パートナー 福田稔氏
「“組織の壁を越え、異なる強みを掛け合わせて新しい価値を共創する”、今回の取り組みは弊社が提唱する価値共創ネットワークの典型例です。具体的には、ABEJAさんの技術力と弊社の知見を掛け合わせることで、需要予測モデルのニュータイプを作り出せると考えています。そして、クライアント企業に貢献するだけでなく、ひいては業界全体の課題である作り過ぎ・在庫過多の問題に対して、課題解決に繋げられるような取り組みに発展できればと考えています」