新型コロナウイルスの影響により、オフィスへの出勤を前提とした働き方は大きく変わっている。全国で3人に1人がリモートワークを経験する一方で、オフィスの縮小・移転を検討・実施する企業もみられ、オフィスの在り方や役割が見直されつつある。
ユニリーバ・ジャパンでは、2016年7月から、働く場所・時間を社員が自由に決められる新しい働き方「WAA」(Work from Anywhere and Anytime)を導入。2019年7月には、社員が提携自治体で地域貢献をしながら働ける「地域 de WAA」も導入し、社員一人ひとりが自分らしくいきいきと働き、成果を上げられるワークプレイスを自律的に選べるよう取り組んできた。
そして、2020年12月、ワークプレイスの選択肢の一つであるオフィスの役割を“仕事をする場所”から“イノベーションを生む場所”へと再定義し、中目黒本社を全面的にリノベーションした。新しいオフィスのテーマは“つながる・めぐるワークプレイス”。4つのフロアのそれぞれに「Connect」「Collaborate」「Charge」「Concentrate」という異なるコンセプトを持たせ、からだを動かしながらアイデアジェネレーションができる「バランスボールエリア」、あふれる自然光の中で対話や休憩ができる「シエスタルーム」、子ども連れでも安心して働ける「キッズルーム」、一人で深く考えられる「フォーカスルーム」など、さまざまなワークシーンに合わせたエリアを設けた。部署ごとの固定席をなくし、社員が複数のフロアを“めぐり”、社内外の人々やモノ、コトと偶発的に“つながる”ことで、楽しみながら新しいイノベーションを生めるようにしている。また、オフィス全体にユニリーバの価値観やブランドの世界観を感じられる色鮮やかなイラストを採用し、リモートワークで希薄になりがちな企業文化との“つながり”も感じられるようにしたのだという。
Think Lab HOME+を企業として初導入。新しいワークプレイスの実証実験も予定
ユニリーバ・ジャパン本社の「フォーカスルーム」には、集中を科学するソロワークスペースThink Labが開発した「Think Lab HOME+」を企業として初導入。さらに、Think Labの協力の下、ユニリーバ・ジャパン社員モニターが新オフィス、自宅、Think Labで業務にあたり、それぞれのワークプレイスでの集中度やリラックス度をメガネ型ウエラブルデバイス「JINS MEME」を使って計測する実証実験を行う予定だという。
安全と健康を守りながら自分らしくいきいきと働けるワークプレイスへ
ユニリーバ・ジャパンでは、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、2020年3月から現在に至るまで、派遣社員・常勤業務委託社員を含む全社員を原則在宅勤務としている。日本政府や世界保健機関(WHO)の勧告及びユニリーバ・グローバルの安全・健康に関するガイドラインに照らし、感染リスクが低く、医療体制も十分であると判断された場合、全社員が感染症対策のための研修を履修、同日に出社する社員数は全体の20%程度、どのエリアにおいても十分なフィジカルディスタンスの確保、入館時の検温・手洗い・手指のアルコール消毒・マスク着用の徹底といった十分な感染防止策を取った上で、社員一人ひとりの要望や業務上の要請を考慮しながら、中目黒本社への出社およびThink Labとの実証実験を始めるとしている。