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大企業でのDX推進のリアルを住友商事の徳永氏とランドログの明石氏が語る

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住友商事の“現場”が持つ課題をDXセンターがデジタルで解決する

 最初に、住友商事の徳永佑太朗氏が、同社のDXの取り組みについて紹介した。

 徳永氏は、事業所が66ヵ国に136拠点、連結対象会社は81ヵ国957社と、グローバルに幅広い産業分野で事業を展開する住友商事の強みを、“現場”だと表現する。世界中の現場が持つ課題やアイデアをデジタル技術によって解決しているのが、徳永氏が所属するDXセンターだ。

 住友商事は、2018年度から2020年度までの中期経営計画で、成長戦略の柱として「既存事業のバリューアップ」「次世代新規ビジネス創出」「プラットフォーム事業の活用」を掲げており、これらの推進に3年間で約3,000億円の投資を計画している。「次世代新規ビジネス創出」の中に「テクノロジー×イノベーション」と明記されていたり、他の2つを推進する上でもDXは欠かせなかったりするため、同社にとってDXは経営上重要な位置づけにあるといえる。

 中期経営計画がスタートした2018年度にDXセンターが開設。当初15人でスタートした組織は、2020年度には150名規模まで膨らんでいる。また、2019年にはCDOを設置したり、アクセラレータ事業を開始したり、技術子会社であるInsight Edge社を設立したりと、ソリューションを提供するための機能を拡張させている。初年度には70案件だった案件数も、累計で300件に達した。

 また、DXセンターは、全社に向けたDXの説明会や研修を実施したり、CDOが全世界延べ2,600人にDXの重要性を直接説明したり、社内向けの広報活動を展開したりと、様々な手段で社内の意識改革に取り組んでいるのだという。

 DXセンターは、住友商事の強みである現場力を活かすためのサポート機関のように見えるが、コーポレート部門ではなく、営業部門の1つであるメディア・デジタル事業部門の中にあることが特徴だと徳永氏は強調する。現場の要望に応えるだけでなく、自身でも営利を求め、ビジョン実現に向けて能動的に動くという意思があるのだ。

 DXセンターは、住友商事全社、そして社外から人材を集めている。社会のデジタル化が進み産業の境界が溶けているいま、縦割り文化が根強く残る商品部門制にこだわらない、組織を横断したチームにすることを企図しているというのだ。

 最後に徳永氏は、DXセンターが描く住友商事のDXを紹介した。

 既存のIT技術を使って各現場が属している業界単体を変革するところからスタートしたDXセンターは、Insight Edge社やCVC、アクセラレータ事業を通じて先端技術や新たなサービスを拡充したり、住友商事が運営するオープン・イノベーション・ラボ「MIRAI LAB PALETTE」などを通じたコラボレーションによって業界を横断した課題解決を実現したりすることで、「デジタルソリューション総合商社」としてビジネスを変革創造することを目指しているのだと、徳永氏は語った。

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梶川 元貴(Biz/Zine編集部)(カジカワ ゲンキ)

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