この実証実験は、国立研究開発法人情報通信研究機構(以下、NICT)と共同で受託した総務省情報通信技術の研究開発における「革新的AIネットワーク統合基盤技術の研究開発」の一環とした取り組みで、2023年以降の社会実装を目指している。
この研究開発では、ネットワーク事業者、システムインテグレーション事業者、サービス事業者が連携し、AIの活用により、5Gのスタンドアローン(SA)構成で主流となる仮想化されたネットワークを自動的に構築・運用することを目指している。これにより、AIがネットワークの障害を検知した際に、コネクティッドカーの通信制御をマルチアクセスエッジコンピューティング(MEC)に配置し最適化するなど、自動的にネットワークを再構築することで、ボトルネックの解消を図る。
実証実験では、NICTが運営する「JGNテストベッド」を用いて、ネットワーク機能を仮想化した5Gコアネットワークに加え、MEC機能やクラウド機能を構築するとしている。
各社の役割とこれまでの成果
- KDDI(ネットワーク事業者):AIを活用した障害検知、特定、ならびに復旧対処により、ネットワーク事業者のネットワークサービス品質の維持・向上を実現するための技術の確立
- KDDI(サービス事業者):「AIネットワーク統合基盤」とのデータ連携により、IoTサービス制御機能の動的制御を行い、サービス事業者のIoTサービス品質を維持・向上する技術の確立
- 日立(システムインテグレーション事業者):AIを活用したサービス要件分析により、システムインテグレーション事業者が、人手を介さずにネットワーク要件に変換し、かつ継続してネットワークリソース利用を最適化する技術の確立
- NEC(システムインテグレーション事業者):AIを活用した設計、制御・更新の自動化により、システムインテグレーション事業者が、各種ネットワーク要件の擦り合わせを自動で行って具体的なネットワークの構成を設計・更新する技術の確立
- OKI(サービス事業者):「AIネットワーク統合基盤」とのデータ連携により、コンテンツキャッシュ機能の動的制御を行い、サービス事業者のオンデマンド配信サービスにおける品質を維持・向上する技術の確立
- NICT(ネットワーク事業者):AIを活用した自動資源調停および機能移行制御により、ネットワーク事業者のネットワークサービス品質劣化の原因となる事象を抑制するための技術の確立