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マーサー、「2021年グローバル人材動向調査」を発表 全世界46ヵ国23地域の詳細をサマリーレポート

 マーサーは、「2021年グローバル人材動向調査」(第6版)を発表。働き方や仕事に対する考え方が永続的に変わった今、着実に多くの組織で新たな可能性を探る動きが加速していることを明らかにした。

[公開日]

[著] BizZine編集部

[タグ] AI・機械学習 企業戦略 ナレッジマネジメント

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 マーサーの2021年グローバル人材動向調査の第6版は、7300人の経営幹部、人事リーダーと従業員からの洞察をまとめている。グローバル全体のトレンドを捉えたフルレポートの他、今回は初の試みで全世界46ヵ国23地域の詳細をサマリーレポートとして提供している。

 2020年、日系大手企業の間で「ジョブ型」がバズワードとなり、人事部門リーダーは、従業員の働き方やビジネスの変化に伴うスキルアップや再教育の必要性をより強く意識するようになった。2021年、企業は「ノーマルへの復帰」から「ニューノーマルへの発展」へフェーズを移すこととなる。

 本調査には、日本の人事部門リーダー81名が参加し、柔軟性と流動性のあるキャリア再構築への投資が日本企業の最優先課題であることを露わにした。2021年における2番目の優先事項としてはスキルアップや再教育が挙げられており、ダイバーシティ、公平性、インクルージョン(DEI: Diversity, Equity & Inclusion)に関するデータ解析と洞察、さらに、将来の労働力ニーズの定義および改革がそれに続いている。

調査ハイライト

人々が現在も未来も成長できるように協力する

 日本の人事部門リーダーの72%が、自社がESGや多くのステークホルダーの利益を重視した事業アプローチに向けた取り組みを継続している、または強化していると回答した。52%がESGゴールや目的を従業員に理解してもらえるように努力しており、今後の全体的な改革への移行に取り組んでいくと回答した。企業におけるすべての役員がESG指標に関する義務を共有しているかについては、グローバル全体の36%に比べ日本は26%とまだ低い。

新しい事業環境に向けて、再教育で従業員を変革する

 日本企業の多くが、事業環境の変化に対応するために再教育の必要性を訴えている。2021年、変革に向けて集中すべき項目として、企業に欠かせない重要な人材を対象としたスキルアップ・再教育の強化(48%)、次いで全従業員のスキルアップ・再教育への投資増(41%)、人材と学習のエコシステムの拡大(40%)が挙げられた。中でも投資増加に関しては、グローバル(23%)に比べ大幅に高い。

人間の洞察力とAIを活用することで、先を見通す

 80%以上の日本企業では大きな変化は見られなかった。例えばコミュニケーションの観点で見ると、パンデミックにより従業員に対する聞き取りアプローチを強化した企業は、グローバルレベルだと39%に対し7%に過ぎなかった。その一方で、日本の人事部門リーダーの40%以上が、戦略的な要員計画やモデル化、柔軟な働き方に関する業績データ、学習やスキル獲得のデータ解析の各分野においてデータ解析能力の向上を計画している。

職場体験を再設計し、社員に刺激と活力を与える

 新型コロナウイルス(COVID-19)感染拡大によってリモートワークが拡大する中、人事部門リーダーの3分の1以上(36%)がメンタルヘルスの問題を早期発見できるよう管理職に研修を行い、31%が身体的健康の問題に対処するためのサービスを追加しようと試みており、30%が精神面・感情面でのウェルビーイング向上戦略の導入を計画している。

2021年にさらなる投資を考える分野TOP3

  1. フレキシブルな働き方のポリシーやプラクティスの拡大に対しては、66%がすでに導入済み、または導入予定と回答し、49%がパフォーマンスデータとフレキシブルな働き方の連動の検討を開始または予定していると答えている。ただし、いずれもグローバルよりは割合が低い結果となった。
  2. 変革のための障害として、従業員の能力とスキルの欠如(49%)が挙げられ、リスキルが重要課題である(48%)と認識されている。一方で、スキル開発への取組みで実際に実施している項目は低い。
  3. ダイバーシティ、公平性、インクルージョン(DEI)の考え方は、アメリカ合衆国における人種差別的な暴力問題と「Black Lives Matter」の運動とともに急速に広がった。本調査に参加した日本企業の36%が2021年にさらに注力する項目TOP3として挙げているように、本邦においても今年最も重視されるアジェンダの一つだろう。

 調査結果について、マーサージャパン株式会社 取締役 執行役員 組織・人事変革部門代表の白井正人氏は次のようにコメントしている。

「今年度の調査は、日本企業の変化の兆しを明確に示しながらも、本格的な取り組みへの踏み込みには若干の躊躇が見られる、という結果であったと考えています。例えば、 ESG目標を企業の目的と結びつけ、その目的に社員を分かりやすく提示しているという回答は52%ですが、それを役員向けの評価システムに組み込んでいる企業は22%に過ぎません。より具体的で実効性のある取り組みを重視すべきだと思います」