ZHDとLINEは、2019年11月の経営統合に関する基本合意書、同年12月に経営統合契約書、そして昨年8月に業務提携に関する基本合意書を締結した。これらの契約書に基づき、両社およびそれぞれの親会社であるソフトバンクおよびNAVER Corporation(以下、NAVER)を含む4社にて、経営統合を実現するための一連の取引を進めつつ、経営統合後の早期シナジー発現を目的として、両社が営んでいる事業に関しての協議を進めてきた。
経営統合に関わる契約書の一環として、ZHDおよびLINE承継会社が2020年1月31日付で締結した株式交換契約書に定められた株式交換の効力発生をもって、3月1日に経営統合が完了した。
ZHDグループは、中核企業の1つであるヤフー(Yahoo! JAPAN)およびLINEを中心とした「検索・ポータル」「広告」「メッセンジャー」を“根幹領域”と定め引き続き推進するとともに、特に社会課題が大きくインターネットでその課題解決が見込める領域である「コマース」「ローカル・バーティカル」「Fintech」「社会」の4つを“集中領域”と定め、集中的に取り組むという。さらに、それらの領域にデータやAI技術を掛け合わせることで、シナジーを強固に創出するとともにユーザーの日常生活、企業活動、そして社会自体をアップデートしていくとしている。
ZHDグループはすべてのサービスにAIを実装し、新たな価値の創造を推進していく。AIを中心に各事業を成長させるため、5年間で5,000億円の投資を計画するとともに、5年間で5,000人のAIの活用に携わる国内外のエンジニアの増員を発表。また、すでにLINEのサービス利用が多い台湾、タイ、インドネシアを起点とし、日本での成功事例を展開するとともに、海外での成功事例を日本市場へ展開していくことも視野に入れる。また、ソフトバンクやNAVERなどのノウハウ、ネットワークを存分に活かし、海外展開を図っていくという。
また、3月1日に発表したZHDの新たな経営体制のもと、シナジー効果の創出と事業やサービスの成長を推進し、2023年度の売上収益は2兆円、営業利益は過去最高益となる2,250億円を目指すとしている。