2026年5月27日、JR西日本と佐川急便は、「顧客体験価値の共創」に関する連携協定を締結したと発表した。今回の協定は、両社が持つ鉄道ネットワークと物流ネットワークの強みを融合させ、「モビリティとロジスティクスの共創エコシステム」として新たな価値提供に取り組むものである。
主な目的は、モビリティとロジスティクスサービスのシームレスな連携による顧客体験価値の向上、そして観光に伴う手荷物課題の解決により西日本を訪れる交流人口の拡大である。とくに、人口減少が続く日本において、インバウンド旅客の地方誘客の重要性が増すなか、地域課題の解決と持続可能な経済活性化を目指している。
2040年代を見据えた構想としては、JR西日本の鉄道予約システムと佐川急便の物流システムを連携し、多様な移動と荷物配送をワンストップで予約・決済できる共創プラットフォームを目指す。また、2028年までに物流オペレーションシステムを統合し、サービス効率を高める計画も進んでいる。
具体的な施策として、2026年6月から京都・大阪~広島・博多間において、手荷物即日配送サービス「Same-day Delivery WEST」の実証実験を開始する。これは新幹線による広域高速配送と地域内配送の組み合わせによるもので、駅やホテルに預けた荷物を当日21時までに目的地で受け取れるサービスだ。海外OTA(Klook、KKday)などで予約・決済できる仕組みも導入する。
運送サービスはジェイアール西日本マルニックス、JR西日本が新幹線輸送、佐川急便がトラック配送を担う。訪日外国人旅行者をはじめとする観光客が利用可能で、手荷物の持ち運び負担軽減を図ることで、目的地の選択肢拡大や観光地での快適な移動体験につなげる。
この連携は、JR西日本グループの中期経営計画で掲げられる「移動におけるサステナブルなエコシステム」や、SGホールディングスグループの「リアルコマース」重点戦略の一環でもある。移動体験価値の向上により、地方への誘客促進や持続可能な地域経済の実現に向けた具体策として期待される。
今後は実証実験の成果を踏まえながら、より広域なエリアやサービス拡充も視野に、モビリティとロジスティクスの融合による新たな顧客体験価値創出を推進していく方針だ。
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