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両手を使ったプロトタイピング思考

アイデア創出プロトタイピングは“メニューを決めない料理”──思考のフレームの影響と身体性との関係とは

第3回

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プロセス管理が容易な「アイデア具現化プロトタイピング」

 前回解説した、「アイデア具現化プロトタイピング」と「アイデア創出プロトタイピング」は、どちらが優れているというものではありません。両方のメリット・デメリットを知ったうえで、自分やメンバーの特性、プロジェクトの状況・進捗によって、適切に使い分けていくことで効果を発揮します。まずは、そんな2つのプロトタイピングの特徴を整理していきたいと思います。

アイデア具現化プロトタイピング図表1:アイデア具現化プロトタイピング

 「アイデア具現化プロトタイピング」を図解すると、図表1のように表現できます。シンプルに表すと、頭の中にあるアイデアを具現化してプロトタイプを作成する、ということです。その後に、ユーザーテストなどでの検証、改善が続くこともあります。

 「アイデア具現化プロトタイピング」の特徴を4つご紹介します。

1:概念の理解が容易

 「アイデア具現化プロトタイピング」は、アイデアを考えて、そのアイデアを具現化し、ユーザーテストなどで検証して、改善していきます。これは「仮説検証」や「PDCA」と言い換えることもできます。仮説(Plan)を具現化(Do)して、検証(Check)、改善(Action)していくのです。

 仮説検証やPDCAがツール・考え方として世間に広く普及しているとおり、この「アイデア具現化プロトタイピング」は私たちにとって非常に理解しやすい概念です。自分が理解しやすいということは、相手にも伝えやすく、理解してもらいやすい。そのため、複数人で行うプロジェクトにおいてはファシリテーションがしやすく、プロジェクトメンバーの納得感も醸成しやすいというメリットがあります。

2:プロジェクト管理・プロセス進行がしやすい

 PDCAのようにプロセスを順番に区切ることができるため、プロジェクト計画や進捗管理がしやすくなります。また、「アイデアを考える部分」ではブレインストーミングなどのアイデア発想法、「具現化・改善する部分」ではペーパープロトタイピング、アクティングアウトなどのプロトタイピング方法、「検証部分」ではユーザーテスト、インスペクション評価などの評価方法がそれぞれ確立されています。よって、各プロセスの進行もしやすくなります。実際、ほとんどのデザイン思考研修はこれらの手法を体験することがメインになっています。

 次項では「アイデア具現化プロトタイピング」の残り2つの特徴をご紹介します。

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「アイデア具現化プロトタイピング」のデメリット

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この記事の著者

加藤 夏来(カトウ ナツキ)

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