この共同研究では、JAXAのレーザ高度計に関する技術とNTTデータの3次元地図に関する技術を掛け合わせて、樹木や植生に覆われた森林域における3次元地図作成の技術課題の解決を図るとともに、防災をはじめとする多様な分野で活用される3次元地図の高精度化に取り組む。
JAXAは、これまでレーザ高度計を利用した地球観測に関する研究開発を進めてきた。今回の共同研究では、レーザ高度計が取得したデータを用いて地盤面の高さを正確に測定する技術を研究し、3次元地図高精度化への寄与を目指す。また、この成果を、軌道上実証を含む今後のレーザ高度計による地球観測技術の研究に反映する。
NTTデータは、これまで全世界デジタル3D地図サービス「AW3D」を世界130カ国以上を対象として展開してきた。今回の共同研究では、衛星画像から作成した樹高等を含む地表面の高さモデルおよびレーザ高度計により測定した高さデータを用いて、地盤面の高さモデルを正確に作成する技術を研究する。本研究の成果を用いて、デジタル3D地図サービスにおいて世界のハザードマップ等の高精度化を実現することを目指す。
JAXAとNTTデータは、今回の3次元地図の高精度化を実現後に、研究成果を反映したさらなる高精度化した新しい衛星センサやデータ解析技術の研究を進めるとともに、都市デジタルツインのスマートシティ分野や森林資源量把握の環境分野等への応用の研究を進める予定だとしている。