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経営×ファイナンスというキャリア

「経営×ファイナンス業界」が伸びる社会的背景、得られるキャリアの魅力とは?

第2回

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 前回の記事で「経営×ファイナンス業界」のエコシステムをご紹介しました。各プレイヤーがどのように連携して活動しているかがご理解頂けたと思います。今回は、リーマンショック以降、右肩上がりで成長しているM&Aおよび事業再生を軸としたエコシステムを、(1)事業再編、(2)業界再編、(3)事業承継という3つのキーワードで解説します。また記事後半には、それぞれの業界の魅力をキャリアの観点から紹介します。

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「経営×ファイナンス業界」が伸びる社会的背景とは

「経営×ファイナンス業界」エコシステム概念図図版:「経営×ファイナンス業界」エコシステム概念図※再掲(出典[1]

 まずは、日本でM&Aが行われ始めた1985年以降のM&A件数の推移をあらためてみてみましょう。波はあるものの1985年以降、基本的に日本のM&Aマーケットは拡大し続けています。リーマンショックで数年間減少が続きましたが、その後は毎年件数を伸ばしています。

図版:日本国内におけるM&A件数推移(出典:M&A専門誌「MARR」より)図版:日本国内におけるM&A件数推移(出典:M&A専門誌「MARR」[2]より)
画像クリックで拡大

 ここからは、「経営×ファイナンス業界」が伸びる3つのキーワードを見ていきましょう。

(1)事業再編

 昨今のグローバル競争の激化やテクノロジーの急速な発展などの外部環境の変化により、ほとんどの業界で事業ポートフォリオの見直しが迫られていると言って良いでしょう。

 事業の選択と集中のために非コア事業の売却や、強化したい領域の買収など、「事業再編型M&A」が世界中で増えています。

 たとえば、2018年6月1日、経営難に陥った東芝が、PEファンドのBain Capital(ベインキャピタル)を中心とする企業コンソーシアムが設立した買収を目的とした企業「Pangea」に対し、東芝メモリを譲渡価格約2兆円で売却したニュースはかなり話題になりましたので、記憶に新しいでしょう。このような大型の事例だけではなく、大小さまざまな事業再編M&Aが行われているのです。

 また、現在、Covid-19の世界的な感染拡大によって引き起こされた、国境を越えたサプライチェーンの分断や、デジタルトランスフォーメーションへの急ピッチな対応の必要性から、投資銀行や各アドバイザリーファームに対して、一部事業の売却や成長戦略の変更に伴う買収相談が持ち掛けられるケースが急増しています。

 リーマンショックショックと異なり、今回の経済危機は金融を発端としたものではありません。そのため買収側の意欲が落ちておらず、売り買いともに相談が急増したことで、各社の担当者は日々かなり忙しそうにしています。外部環境の変化が激しければ激しいほど、事業戦略の見直しや成長戦略の一手としてのM&Aや、経営の立て直しのための事業再生案件は急増します。今後とも変化の激しい外部環境が予想されますので、M&Aアドバイザリーや事業再生コンサル、PEファンドの活躍の場はますます増加すると見ていいでしょう。


[1]ポストコロナのキャリア戦略 経営×ファイナンス』(和田耕太郎、堀江大介・著/ロギガ書房・刊)P50を参照し作図

[2]出典:M&A専門誌「MARR

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この記事の著者

和田 耕太郎(ワダ コウタロウ)

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

堀江 大介(ホリエ ダイスケ)

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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