今回Cytoronixとして外部化する細胞培養管理事業は、細胞を培養して増やし、所望の状態や量にして患者に投与する、再生医療の拡大と普及に貢献するもの。東芝は、細胞培養結果のばらつきを抑え、細胞を安定的に培養することに必要な、細胞モニタリング装置の小型化を実現。また、それを効果的に運用するための、クラウドウェアからなる細胞培養管理プラットフォームを開発している。今後は、測定されたデータを分析するアルゴリズムを、継続的に改善・強化するとともに、研究から量産まで、様々なフェーズの顧客に導入できる装置開発や、顧客のフェーズごとに最適化したサブスクリプションモデルでの提供を目指すという。
東芝がベンチャーキャピタルとともにスタートアップ企業を立ち上げ、従業員が独立して経営株主として事業の推進を担うことで新規事業の創出を行う試みは、同社としては初めての事例となる。この事例では、Cytoronixの独立性を担保するため、議決権の過半数は経営株主が有しており、経営の自由度の最大化と多様な資金調達が可能となる。
東芝は、このスキームを通じて、社内外に存在する高い挑戦意欲をもった人材に対し、組織の壁を超えて活躍の場を広げるとともに、これらの人材との連携を強化することで、シーズ開発を起点とした事業の創出と、オープンイノベーションによるエコシステムの形成を実現していく。