現在日本の医療業界では、予防・診断・治療・予後モニタリングといった「ペイシェントジャーニー」の中で関係するプレイヤーやサービスが分断されている。そのことにより、医療機関外での行動は患者任せになってしまっている、患者の関連データが管理・共有できていないなどのように、患者目線でより効率的・効果的な医療サービスを提供できていないことが課題となっているという。特に糖尿病、リウマチや乾癬(かんせん)などの慢性疾患、希少疾患など長期に渡る療養治療を必要とする疾患では、患者が服薬や食餌療法、運動療法などの自己管理を適切に行うことができず、治療の効果を実感しづらいのだという。その結果として治療過程で離脱し、重症化するケースも見られる。このような医療・治療の非連続性を解消し、患者が通院や自己管理まで含めて適切に治療に取り組める環境の実現が求められており、ヒト・モノ・サービスを繋いだ患者中心のヘルスケアの必要性がかつてないほど高まっているという。
デロイト トーマツは、これまでの製薬企業、医療機関、自治体、テクノロジー企業との協業を通じて得たサイエンス・ビジネス・システムに関する知見を活かし、製薬企業向けにConnected Health の実現を一気通貫で支援する。具体的には対象疾患の選定、疾患ごとのペイシェントジャーニー分析による課題の洗い出しなどの構想策定から、システム導入、運用・分析を担うことで、個々のサービスや情報を連携させ、予防・診断・治療・予後モニタリングが連携した、より適切な医療の提供を目指すとしている。Connected Healthの実現により、患者の治療満足度向上のみならず、医療機関における最適・効率的な医療が提供できるようになるのだという。そして製薬企業においては、これまでとは異なる直接的かつ俯瞰的な患者との接点を通じ、より正確に患者のことを理解することで、医学的エビデンスの創出や創薬への価値循環などが期待できるとしている。