同社は今回、以下の要素を意識した生産供給体制を整備したとしている。
- 「高収益構造への転換」として生産性の向上
- 「スキンビューティーへ注力」として生産体制の強化
- 「成長基盤の再構築」としてサステナビリティ
本拠点では、生産を担う工場に資生堂として初めて物流センターを併設し、生産から輸送にかかる作業効率を上げ、輸送時にかかるコストや環境負荷を軽減。また、地域に開かれた工場として一般顧客向けの見学コースと、コンシューマーセンターの分室を新たに設置したという。
大阪茨木工場の特長
- プレステージスキンケア製品の生産工場:88の国と地域で展開するブランド「SHISEIDO」の美容液アルティミューンをはじめ、グローバルラグジュアリーブランド「クレ・ド・ポー ボーテ」を中心とした、プレステージスキンケア製品を生産。2023年以降、生産数量を約1.6億個まで引き上げ、将来の需要に対応していくとしている。
- 環境に配慮したサステナブルな工場:工場建造物としては評価の高い、CASBEE(建築環境総合性能評価システム)のA評価を取得。工場、物流センターを運営するエネルギー(CO2)を約30%削減することが可能だという。また、製造時に使用する冷却水については、循環水の再利用により年間65,000tの水使用量の削減効果を創出。さらに、工場と物流センターが隣接することによって、製品の輸送時にかかるCO2削減効果は年間60t以上を見込んでいるとしている。
- 「PEOPLE FIRST」:従業員の6割以上を占める女性目線でのワークプレイス改革をはじめ、場所とスタイルを自由に選択できるABW(Activity Based Working)の考え方に基づいた、フリーアドレスのオフィス環境を採用。部門間の交流による業務効率の最大化や、新価値の創出を促すオフィスを実現しているという。また、充填仕上げエリアにおいて、「モノをはこぶ」作業を自動化するIoTを導入し、作業負荷を軽減したとしている。
- 地域との共存:工場から世界にブランド価値と品質へのこだわりを発信し、資生堂ファンを増やす拠点としても位置付け、一般顧客向けに見学施設を導入した迎接棟「SHISEIDO BEAUTY SITE」をオープン。2022年以降、工場見学をスタートする予定だという。
西日本物流センターの特長
- 工場と倉庫の一体化によるサプライチェーンの構築:隣接する大阪茨木工場で生産された商品の入庫を自動化することで、作業の効率化を実現。また工場、物流センター、商品センターの機能を集約することにより、効率的なサプライチェーンを構築し、市場への商品供給リードタイムの短縮と輸送コストの削減が可能になったとしている。
- 出荷システム導入による省人化:資生堂独自の機能を追加したマルチシャトルに、製函と封函の自動化も加えることで、商品のピッキングから梱包・荷札のラベリングまでを同時に行う歩行レスの出荷システム「GP3(Goods to Person for Pick and Pack)」を採用。荷積み(パレタイジング)や荷下ろし(デパレタイズ)の自動化など、省人化を実現し、効率的に製品を市場に届ける設備を備えているという。