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製造業が抱える新規事業開発の苦悩――組織と事業の変革に挑む“モノづくり大企業”たち

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「製造業ならでは」の新規事業開発への懸念点

白石卓也氏(以下敬称略):私は元々流通サービス業でのキャリアが長く、味の素への参画と同時に製造業に携わり始めてまだ1年半ですが、他業種と比べて製造業はR&D、いわゆる研究開発部門が強い印象です。製造業では新規事業を進めるにあたって、それまで培ってきた研究を活かすノウハウやアセットを前提にしてビジネスを考えることになります。それが上手く活用できれば良いですが、逆にアイデアを狭めてしまうことがあるという課題もあるでしょう。その辺り、ご自身と新規事業の紹介を含めて研究開発部門との役割分担や課題、工夫している点をお伺いしたいと思います。

井上智子氏(以下敬称略):私は2018年から、オムロンのCVCの代表として新規事業に携わっています。それまでは投資会社でのファイナンスのキャリアが長く、直近は産業革新機構で医療機器のベンチャーキャピタルを設立し、運営、ベンチャー投資に携わっていました。

 オムロンは、色々な社会課題をイノベーションで解決したいという想いで事業発展してきた会社で、たとえば1964年に世界で初めて全自動感応式電子信号、いわゆるデジタル信号機を世に送り出しました。しかし、近年は新規事業がなかなか創出されず、それを打破するためにCVCという形で別会社を立ち上げる取り組みがスタート。また昨年、共創デザインセンタというベンチャー企業とともに価値創出することを目指した組織も立ち上げ、私はこちらのセンタ長を兼務しています。

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 CVCの投資戦略としては、オムロンのコア技術・資産と新技術・事業を組み合わせ、未来のヘルスケア、スマートシティ、ファクトリーをコンセプトに新しい産業の創造を目指しています。また、R&Dに関しては、オムロンは技術で成長してきた会社なので、優秀で大きな研究開発部隊が存在します。さらに、技術知財本部も備えているほか、各事業部の中にも技術に携わる方々がいて、新規事業を生み出すために動いています。

 開発者であれば、自分たちが生み出したものを活かしていきたいと考えることは当然で、さらにベンチャーとの連携という話になると、それがコンペティターのように認識されて、自分たちの技術を上手く活用できないのではないかという、“Not Invented Here syndrome”が起きることがあります。そこで、少し視点を変えて「最終的に、社会にどのような価値を生み出したいのか」に視点が定まると、すごく建設的な議論ができるようになると感じています。

白石:同じ視点を持つことは、新規事業を進めるにあたって大きなポイントですね。

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この記事の著者

比惠島 由理子(ヒエジマ ユリコ)

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