顧客体験を向上させる支援者として、最先端でいつづけるために
KARTEを手がけるプレイドでは、KARTE以外にも顧客視点の店舗DXに資するさまざまな取り組みをしていると、阪 茉紘氏は語る。
そのひとつが、メディア「XD(クロスディー)」というCXにフォーカスを当てたビジネスメディア運営である。「世の中のあらゆるコトに魅力的な体験を」をコンセプトに、企業が顧客体験をより良くするためのヒントを、さまざまな観点から発信している。
また「CX DRIVE」というカンファレンスも行っている。CXに取り組む一流のプロを招聘し、登壇者と参加者がともにCXのうねりに没入し、思考できるようにと考えての取り組みで、新たなCXを生み出すきっかけとなる場になっている。
さらに、顧客の可視化に関するR&Dの取り組みとして、「K∀RT3 GARDEN(カルテガーデン)」というプロダクトも作っている。ウェブサイト内のユーザーの動きをVR空間上にリアルタイムで人として可視化させる試みだ。店舗であれば、顧客が迷っていたり、2つの商品を見比べていたりする様子は直感的にわかり、適切に接客することができる。しかし、オンライン上ではそれがなかなか把握しづらいために、あえてオンライン上の動きをVR上で再現しているのである。
他にも、さまざまな企業団体と共創プログラムを行うことで、顧客体験をどうやってアップデートしたらいいかも研究している。そのひとつが京都大学と京都市観光協会との共同研究で、オーバーツーリズムという社会課題の解決を目指したものである。観光客は事前に何かしらの情報を見てから旅行する。その時のデータを生かし、どんなコミュニケーションをすれば混雑の改善につながって、よりよい体験を提供できるのかを考え、プロジェクトとして進めてきた。
「さまざまな業界・企業の方と実際に小売DX、OMOを取り組む中で、どういう体験提供が良いものなのかをお話しさせていただくことが多いです。各事業者様は、その事業でどういった体験を作りたいかを考えていらっしゃいます。パートナーである私たちは常に、どういう体験が魅力的なのか、実際に体験を作りきった方はどんなことを考えているのかを最先端で学ぶことが必要だと考えています」
阪氏はこのように話し、よりよい顧客体験のためにぜひディスカッションの機会をいただければ、と呼びかけて講演を締めくくった。