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『ビジネスモデル全史』三谷氏が語る、重要な「3つの個人スキル」とは?

K.I.T.虎ノ門大学院 主任教授 三谷 宏治 氏 講演レポート

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 リーン・スタートアップからフリーミアムやオープン・イノベーションまで、ビジネスモデルとその手法は常に時代とともに進化を続けてきた。近年ではインターネットの普及により、新たなビジネスモデルが創造されるスピードが速くなったといえる。『ビジネスモデル全史』の著者である三谷宏治氏はビジネスモデルを「イノベーションの乗り物」と称す。では、イノベーションが活発になりビジネスモデルが急速に変化していく今日、個人に求められている力とは何だろうか? 三谷氏が3/14に開催されたイベント、ビジネスモデルオリンピアでの講演「ビジネスモデルの歴史と日本発ビジネスモデルの可能性」で語った内容を紹介する。

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ビジネスモデル以前に必要な個人の“頭と足腰”の基礎力

 インターネットの発達により、ビジネスモデルの変革は著しいものになった。そもそも昔からビジネスモデルという概念はあったものの、学術系、非学術系においても言葉として頻繁に使われるようになったのは1990年代以降である。つまりインターネットの発達により、イノベーションが次々と起こり、それに付随してビジネスモデルも変化、創造されてきたのである。

旧来の戦略フレームワークとビジネスモデル・フレームワークの比較図1:旧来の戦略フレームワークとビジネスモデル・フレームワークの比較
©Koji Mitani

 さまざまなビジネスモデルが創造されたことで、多くのことができるようになった。収益モデルひとつを見ても、替え刃方式だけではなく、広告や、フリーミアムなどの選択肢がある。儲け方、作り方、コストのかけ方などの各領域で選択肢が広がり、多くの組み合わせもできるようになったといえるだろう。しかし、逆に選択肢が広がったからこそ、考えなければならないことも増えている。

イノベーション時代の経営は『自由度との戦い』です。ビジネスモデルの自由度がどんどん上がっていますが、それに頭とか足腰が付いていっていないということです。

 こう語るのはK.I.T.虎ノ門大学院主任教授であり『ビジネスモデル全史』の著者である三谷宏治氏だ。三谷氏は、この自由度の戦いの中では、「突破力のある個の力」が必要不可欠と語る。では必要とされる個の力とは具体的になんだろうか? 三谷氏は3つの力をあげた。一つ一つ紹介していこう。

「知っていること」の弊害とは何か?

タイトルK.I.T.虎ノ門大学院 主任教授 三谷 宏治 氏
1964年大阪生れ東京大学理科Ⅰ類。同 理学部物理学科卒業後、ボストン コンサルティング グループ(BCG)、アクセンチュアで19年半、経営コンサルタントとして働く。92年 INSEAD MBA修了。2003年から06年 アクセンチュア 戦略グループ統括 エグゼクティブ・パートナー。
2006年からは特に子どもたちを対象にした教育活動に専念。現在は大学教授、著述家、講義・講演者として全国をとびまわる。K.I.T.虎ノ門大学院 主任教授、早稲田大学ビジネススクール 客員教授、グロービス経営大学院 客員教授。放課後NPO アフタースクール 理事、NPO法人 3keys 理事。永平寺ふるさと大使。

 三谷氏はイノベーション時代の個人に必要な力として、まずは常識から抜け出すための考える力、すなわち「発想力」が必要だという。ビジネスモデルの歴史においても、革新的ビジネスモデルと言われるものは、それまでの「常識」を覆してきたものが多い。しかし、「発想力」には、私たちが現在知っている知識が弊害になると三谷氏は語った。

 「知識が身を滅ぼす」という文脈で三谷氏がもう一つ主張するのは、「座って悩むな、動いて考えろ」だ。

日本人は、考えることと座って悩むことをほぼ同一視しています。でもそれは“思考の停止”です。そのことに気がつけば勝ちです。まず動いてみよう!と思考の停止から逃れられます。

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