DX推進パートナーを選定するための「チェックリスト」
ここまで開発の進め方を紹介してきたが、単に方法論を適用するだけでは片手落ちだと海保氏は指摘する。よく言われていることではあるが、真にDXを推進するためには、企業の組織文化自体を変える必要もあるからだ。その方法として海保氏が提案するのは、パートナーの文化を取り入れることで組織文化を変えていく方法である。
ゆめみは、様々なツールを使いながらアジャイル開発を行う風土があり、フルリモート・副業OK、給与自己決定といったユニークで柔軟な組織文化を持つ企業である。こういった企業とともに開発を行うことは、異文化交流に似て、組織文化を変えていくことにつながる。
こうした独自な文化を持ちつつ、ゆめみはスマホアプリのプロフェッショナルとして、様々なことを「なんでも屋」のように相談されても構わないというスタンスでいる。ただし「丸投げ」のような状態になってしまうと、それは依存や上下関係にもつながってしまい、健全な関係を保つのが難しい。お互いを信頼した上で、役割分担は明確にし、パートナーと「共創する」関係が望ましい。
金融DXを行うパートナー選定時に気を付けるべき観点を、海保氏はチェックリストとして次のようにまとめている。
特に成果物のイメージに関しては、こまめなすり合わせが必要になってくる。前述のようにゆめみでは動くプロトタイプを早期に作り、実際に触ってイメージが確認できるようにしているが、どのような方法で成果物のイメージを共有されるかを、パートナー選定時には確認したほうがいいだろう。
ゆめみは様々な企業とDXを進めている。仕事の進め方の変革、異文化交流的な体験を提供しながら金融DXを行うお手伝いができればと抱負を述べて、海保氏は講演を締めくくった。